<男子ゴルフ:日本プロ日清カップ>◇3日目◇12日◇栃木・烏山城CC(7193ヤード、パー72)◇賞金総額1億5000万円(優勝3000万円)
強風を利し、諸葛孔明のように勝つ!
小田孔明(33=フリー)が4バーディー、2ボギーの70で回り、通算3アンダー213の2位につけた。瞬間的に15メートル近い強風が吹き荒れ、アンダーパーの選手がわずか3人の厳しい状況の中、ベストスコアで前日の26位から一気に浮上した。谷口徹(44=フリー)は4つスコアを落としながらも、通算5アンダーで3日連続の首位を死守した。
伝説の軍師のように、暴風が招く混戦を利し、不利な戦線を一気に打開した。15番パー4。小田孔は第2打をピン手前3メートルにつけ、この日4つ目のバーディーを挙げた。フォローの風を考慮し、終始「グリーンを外れても、今日はボギーを取れたらOK。手前エッジに食いついてくれたらラッキー」と番手を1つ下げて攻めた戦略がピタリ。強風のため全選手の平均打数が77にまで達したこともあり、前日までの首位と8打差は、終わってみれば2打差に縮まっていた。
「苦肉の策」も奏功した。「朝から首の痛みがひどかった。どこらへんが痛いか、自分でも分からないくらいひどい」と小田孔。首をかばい、頭を上げないように打とうとした結果、ドライバーからアイアンまで、大半がパンチショットになった。超低空の弾道は、当然風の影響を受けにくい。「そうしたらまっすぐしか飛ばないので驚きました」。瞬間最大15メートルの強風吹き荒れる難コースを、見事に攻略した。
中国の歴史物語「三国志演義」の大ファンだった父の憲翁さんに、名軍師にちなんで「孔明」と名づけられた。物語の中で諸葛孔明は、「赤壁の戦い」で戦場に強風が吹き荒れることを予見。裏切りを装ったスパイを敵陣に送り込む「苦肉の計」や、風で威力を増す「火計」を使って10倍近い敵軍を破ったと伝えられている。
伝説の作戦を地でいくような快進撃。「本当は風が吹かない方がゴルフとしては面白いけど、風が吹いたら混戦になると思っていました」と事もなげに話した。取材対応後は「これから首の治療をしないと。明日はあまり下心は出さずにプレーします」とマッサージを受けるためにロッカールームへ直行。しかし「孔明」は当然、頭の中で逆転勝利へのシナリオを描き出している。【塩畑大輔】
◆小田孔明(おだ・こうめい)1978年(昭53)6月7日、福岡県田川市生まれ。7歳からゴルフを始め、父憲翁さんからスパルタ教育を受ける。東京学館浦安時代には全国大会の団体戦で優勝。高校卒業後、ゴルフ場の研修生を経て00年プロテスト合格。08年11月のカシオワールドオープンでツアー初優勝。趣味は釣り。176センチ、85キロ。血液型A。

