<男子ゴルフ:マイナビABC選手権>◇初日◇25日◇兵庫・ABCGC(7201ヤード、パー72)◇賞金総額1億5000万円(優勝3000万円)

 石川遼の高校の後輩が、好発進だ。マンデー予選会をトップ通過したツアールーキーの浅地洋佑(19=フリー)が、1イーグル、4バーディー、1ボギーの5アンダー67で回り、首位に2打差の3位。マンデー予選からの優勝はツアー史上5人目、10代Vは史上4人目と記録ずくめの快挙へ突き進む。

 18番、池越えの名物パー5。19歳の浅地がイーグルで、シンデレラストーリーの幕を開けた。第2打残り219ヤード。ロフト22度のユーティリティーを振り抜くと、ボールはピンへ向け一直線。「会心の一撃」(浅地)は歓声の中、ピン手前2メートルにピタリとついた。高速グリーンも難なく制して、カップど真ん中から放り込んだ。このイーグルで、この日5アンダー67、首位に2打差の3位と、ツアールーキーは会心のスタートを切った。

 石川遼の後輩で杉並学院高を卒業。現在賞金ランク25位(約3340万円)の川村昌弘とは同期でライバルだ。しかし、自身は940万円あまりの獲得で、ランク74位と大きく水をあけられている。「やっぱり悔しいし、オレもという気持ちはある」と意地をコースにぶつけた。

 22日のマンデー予選会(主催者推薦選考会)で、65を出しトップ通過。今大会の出場権をつかみ取った。21日に東京から母伸子さん(56)の運転で宿泊ホテルのある兵庫・三田市にやってきた。「カシオワールドオープン」(11月22日から)の出場の可能性は残すが、この大会が今季のラストになるかもしれなかった。それを、トップで通過して賞金10万円も獲得し「ホテル代が出ました」とあどけなく笑った。

 04年の今大会では、井上信がマンデー通過から劇的な優勝を飾った。ツアー史上5人目のマンデー通過からのシンデレラボーイになるか。浅地は「この調子でいきたい」と意気込む。そう言えば「マンデートップおめでとう」と祝福してくれた石川先輩も、08年にプロでのツアー初Vはこの大会だった。【町野直人】

 ◆浅地洋佑(あさじ・ようすけ)1993年(平5)5月24日、東京都生まれ。杉並学院高ゴルフ部出身で、石川遼は2年先輩。11年プロ転向。6歳からゴルフを始め、アマ時代には、08年日本ジュニア優勝、昨年日本アマ3位などがある。今季からツアー参戦で、下部ツアーのチャレンジトーナメントで優勝。169センチ、68キロ。