<女子ゴルフ:ニトリ・レディース>◇第1日◇30日◇北海道・桂GC(6480ヤード、パー72)◇賞金総額1億円(優勝賞金1800万円)

 プロ入り6年目の飛ばし屋・穴井詩(らら、25=ゴルフ5)が6アンダー、66で首位発進した。3番ホールで今季7個目のイーグルを奪うなど、4バーディーのノーボギーの完璧な内容。昨年も6アンダーで首位発進して5位になった相性のいい大会で、初優勝に向けて絶好のスタートを切った。

 3番ホール、残り80ヤード。サンドウエッジで打った穴井の第3打は、バックスピンで5メートル近く戻ってカップイン。2位に3個差をつける、独走の今季7個目のイーグルだ。「完璧でしたね。勢いに乗れたし、気持ちに余裕もできました」。会心の笑顔が飛び出した。

 7番、8番でバーディー。インに入っても13番に続いて、14番のパー5で20センチにつけるアプローチでバーディー。270ヤードの豪快なドライバーショットだけでなく、小技も見せて6アンダー。2年続けての首位発進に「洋芝なのでターフが取れて飛んでいく。抜けがいいので、すごくショットのイメージしやすい」。

 08年にプロテストに合格したが、定期的に試合に出られるようになったのは11年から。それまでは中学、高校、大学と米国で暮らした英語力を生かし、塾講師のバイトで食いつないだ。「試合に出られるようになって3年目。コースも分かってきたし、臨機応変に休んだりもできるようになってきた」と自信を見せる。

 昨年10月の富士通レディースでは、仲のいい成田美寿々と優勝争いをして自己最高の2位。そのとき初優勝した成田は、前々週のNEC軽井沢72で2勝目を挙げた。互いの成績で「ミニスカートのウエアでラウンド」の罰ゲームの勝負をする間柄だ。その成田の2勝目に「ものすごく刺激になってます。私が優勝したら泣いてくれると思う」と言い、「ご祝儀でミニスカプレーもやってくれると期待してる」と周囲を笑わせた。北の大地で、笑顔の勝利を狙う。【小谷野俊哉】

 ◆穴井詩(あない・らら)1987年(昭62)11月11日、愛知・岡崎市生まれ。11歳でゴルフを始め、中学2年で父幸二さんの転勤で渡米。07年6月に帰国、翌年のプロテストで合格。昨季賞金ランク46位で初シード。家族は両親と兄、姉。165センチ、58キロ。