<男子ゴルフ:つるやオープン>◇第1日◇24日◇兵庫・山の原GC山の原C(6804ヤード、パー71)◇賞金総額1億1000万円(優勝2200万円)

 今季国内初戦の石川遼(22=CASIO)が、3バーディー、1ボギーの69で首位に3差の15位と上々のスタートだ。米ツアーから22日に帰国し、ぶっつけ本番で時差ぼけもあったが、大ギャラリーを引き連れ、米国仕込みのプレーを見せた。5アンダー66の首位に片山晋呉(41)と藤田寛之(44)が並び、1打差3位に池田勇太(28)ら5人が続いた。

 スターはフィニッシングホールで魅せる。18番パー4(415ヤード)、石川に付いて歩いたギャラリーも、スタンドで待っていたファンにも感嘆のため息をつかせる第2打だった。第1打を4番ウッドでフェアウエーに運ぶ。打ち上げの第2打は残り158ヤード。「最初は8番アイアン(I)で打とうとしたら、打つ前にフォローの風が吹いて9Iに替えた」。風の変化を見逃さなかった。

 ダウンブローに打たれた打球は、低めながらスピンが利いてピンから約50センチへ。最後はバーディーで締めた。硬いグリーンに苦戦する選手が多い中、石川のボールはグリーンで止まった。押し込むように低くて、長いインパクトのスイング。これこそが、米ツアーで培ってきた球筋だ。

 前週の米ツアーのRBCヘリテージを18位で終え、22日に帰国。その夜は埼玉・北葛飾郡の実家で、祖母のちらしずしなど、大好物を食べて英気を養った。しかし、練習ラウンドはできず前日(23日)に大阪入り。この日がぶっつけ本番だった。「体が浮いている感じでしたが、最後(18番)は、明日につながりますね」。時差ぼけで平衡感覚やラインの読みに狂いを感じながらも、首位に3差の2アンダー15位。上々の発進だ。

 昨年の大会第1日は松山の出場で、ギャラリー数は2162人。石川が出場のこの日は約1000人多い3015人。週末はさらに増えるであろうギャラリーに「みなさんの期待に応えたい」と自信を口にした。【町野直人】