<男子ゴルフ:中日クラウンズ>◇最終日◇4日◇愛知・名古屋GC和合(6545ヤード、パー70)◇賞金総額1億2000万円(優勝2400万円)

 米ツアーから一時帰国中の石川遼(22=CASIO)の2年ぶりの国内ツアー優勝はならなかった。3打差3位からの逆転を目指し、同じ最終組の金亨成(33=韓国)を追ったが、強風と難セッティングに苦しみ、7番パー3で痛いダブルボギー。後半はドライバーを多用する戦略に切り替え勝負に出たが、神懸かり的なパットを連発して優勝した金に突き放され、通算4アンダー276の5位に終わった。

 7番パー3第1打。石川は9番アイアンでピンを狙ったが、ショットは右からの強い風にあおられ、グリーン左のバンカーに落ちた。「思ったより流された。ミスジャッジです」。脱出に失敗しダブルボギー。石川のショットを見て風を計算し、10センチにつけてバーディーを奪った金に6打差をつけられてしまった。

 やむなく「短いミドルまではイーグル、それ以外もバーディー狙い」と、前日までほぼ使わなかったドライバー多用の作戦に変更した。12番パー4では第1打を左に大きく曲げながらも、林の中から1・5メートルにつけるスーパーショット。しかしバーディーパットを外し、肩を落とした。

 前日までは落ち着いた試合運びで、風が強い時間帯に耐え首位と3打差をキープ。この日も7番のダブルボギー後も「8アンダーが優勝ライン」と逆転のシナリオを描いていた。だが、強攻策でチャンスをつくっても、前日より一気に速くなったグリーンにタッチが合わず、パットが決まらなかった。さらに後半9ホールでわずか8パットという金に青写真は打ち破られた。

 日本のファンのためにと、一時帰国してつるやオープンとの2連戦に強行出場。しかし、つるやではスタート直前に疲労と時差ぼけでめまいと息切れを起こし「2分だけ休ませて」とロッカールーム内に倒れ込む場面があった。万全ではない中で、多彩なショット、格段に精度が上がったパット、そして冷静な試合運びを見せた。今日5日には日本をたち、米ツアーに再合流する。【塩畑大輔】