男子ゴルフの世界ランク2位アダム・スコット(34=オーストラリア)が、日本での「恩返しV」を誓った。国内メジャー最終戦、日本オープン選手権は今日16日に千葉・千葉CC梅郷C(7081ヤード、パー70)で開幕する。主催の日本ゴルフ協会の特別承認で出場するスコットは台風の影響で2日来日が遅れ、15日昼に会場入り。コース整備の関係で9ホールしかラウンドできなかったが、残り9ホールを歩いて下見するなど、入念に準備をした。

 13年マスターズ覇者で、世界ランク1位にも上り詰めた「世界のアダム」の来日を、ファンも関係者も待ち焦がれていた。15日正午。スコットは予定よりも2日遅れて会場に到着した。「疲れたよ」と笑うが、すぐに練習場に向かい、ショット練習を開始。肌寒い雨天でも、ホップするような弾道のドライバーは、300ヤードを軽く超えた。報道陣や関係者が後方に輪をつくり、他の選手もショットの手を止めて見入った。

 さらには強い雨をおして、練習ラウンドも開始。1番から9ホールを回ったところでコース整備の時間になり、残り9ホールはプレーできなかった。それでも「歩いてチェックする」と、約1時間かけてティーショットの落としどころやグリーン周りなど徒歩でチェックをした。

 07年11月の三井住友VISA太平洋マスターズ以来の日本ツアー参戦となる。日本との縁は、衣料品大手「ユニクロ」との契約で強まった。「契約して2年。ユニクロの後押しで、メジャーも制覇できたし、世界ランク1位にもなれた。今回は逆に、ユニクロをサポートできる初めての機会。ナショナルオープンでプレーできるのも光栄。しっかり準備したい」。

 米ツアーは先週、14-15年シーズンが開幕し、松山、石川らは今週も第2戦に出場する。しかし、スコットは「今はこの試合に勝つことだけを考えている」と言い切る。この日は雨の中でも、練習ラウンドには多くのギャラリーが付いた。厳重な警備も配され、ピリピリムードでもあったが、本人は時間が許す限りサインに応じた。日本のファンを喜ばせ、スポンサーを喜ばせるため、スコットは本気で勝利を狙う。【塩畑大輔】