左膝のケガで戦列を離れていた女子テニスの伊達公子(46=エステティックTBC)が12日、愛媛県総合運動公園(松山市)でのエキシビションマッチで実戦復帰した。昨年2、4月に左膝半月板を手術。約1年3カ月ぶりの実戦は、2-6、6-7で世界ランク77位の日比野菜緒(22=ルルルン)に敗れた。

 試合後には「菜緒ちゃん、本当にありがとう」と戦ってくれた後輩に感謝。一方で24歳年下の日比野からは、会見で思わぬ“注文”を受ける場面もあった。

 その場面は「戦った日比野さんから見て、伊達さんの印象は…」という質問後だった。日比野は「率直に言うと、サーブはまだまだ良くなるんじゃないかなと思いました」とズバリ。すかさず、隣の伊達が大爆笑で「ありがとう」と日比野の肩に手を寄せた。もちろん日比野にとって、伊達は尊敬する存在。「リハビリのところを見ていた。復帰されたのをうれしく思います。一緒のコートに立てたことが幸せ。でも、本当のところ、緊張していました。1ゲーム目なんか、息するので精いっぱいでした」と後輩は本音を語っていた。

 伊達にとってはエキシビションとはいえ、貴重な実戦の場。試合中には勝負にこだわるがあまり、自らのサーブがフォールトになるや「チャレンジしたい」とポツリ。この試合には導入されていなかったが、約1000人の観衆も伊達の本気度を感じつつ、一斉の笑いで和やかな雰囲気に包まれた。5月2~7日のツアー下部大会、カンガルーカップ国際女子オープン(岐阜長良川テニスプラザ)での公式戦復帰へ、貴重な2セットになった。