北京五輪柔道男子60キロ級代表で10年世界選手権銅メダルの平岡拓晃(26=了徳寺学園職)が、元女優の宮崎真汐さん(25)と結婚していたことが1日、分かった。元日に婚姻届を提出したが、昨年アジア大会で右ひざを負傷。2月のGPデュッセルドルフ(ドイツ)大会での復活優勝を機に公表した。筑波大で練習中の平岡は「ドイツで勝った時、最初に浮かんだのが嫁の顔。嫁がいてくれたからケガがあっても勝てました」。真汐さんは妊娠7カ月。6月にも家族が増える。

 出会いは09年12月の代表合宿。ドラマ「キッズ・ウォー~ざけんなよ~」で、女優井上真央らと共演していた真汐さんが、芸能界を引退しフリーのスポーツ記者として取材に訪れた。重量級の中で練習する160センチの平岡を「(146センチの)私と同じくらいの背の人だ」(真汐さん)と親近感を覚えた。平岡も「小柄な子だな」と似た感情を抱いた。誕生日も3カ月違い。すぐに意気投合した。

 試合前は減量が待つ。北京五輪前は母雅子さんがつくった減量食を、今度は真汐さんが工夫してつくってくれた。その数は10種類以上。「この人しかいない」。結婚を決めた時におめでたも分かった。都内のホテルで青いバラ30本を贈り、プロポーズした。

 結婚式はまだ挙げていない。真汐さんはその理由を「五輪までの2年間は“ひらおか”のために使いたい。楽しみはロンドンの後に取っておきます」と言った。出会った時と変わらず、今も親しみを込めて夫を名字で呼ぶ。真汐さんは平岡の優勝を信じて待つ。

 4月には4連覇が懸かる全日本選抜体重別、8月には三度目の正直で頂点を狙う世界選手権がある。「ロンドンは集大成。守るモノが増えたからこそ、アグレッシブに攻めていきたい」。平岡の頂点への道のりは、ひとりじゃなくなった。