最大の懸賞スポンサーでもある永谷園が、大麻事件を受けて今場所から懸賞を半分近く減らしたことが16日、分かった。初日から3日目まで46本だった先場所と比べ、今場所は3日目まで24本と半減した。15日間120本ペースで、先場所の216本から激減する。同社広報は「(大麻事件は)残念に思っています。社会的に責任が重いと、厳しくとらえました」と説明した。

 永谷園は02年夏場所から懸賞を出している。「ちょうど若貴ブームが去って人気にかげりが見え始めた。応援の意味も込めた」(同社広報)。昨年の時津風部屋新弟子死亡事件後も懸賞本数をキープした。角界にとっては救世主のようなスポンサーだった。しかし、今回ばかりは度重なる不祥事に、一石を投じる目的で決断したようだ。

 同社CMにも出演する高見盛は、先場所まで取組ごとに5本の懸賞が出されていたが、今場所は3本に減らされた。この日、得意の右差しでようやく初日を出して懸賞金を手にしたが、懸賞が減ったことを問われると「おれは金のために相撲をやってるんじゃない」と強調した。一方で朝青龍から金星を挙げた雅山は「懸賞(3本)が意外と少なかった。山盛りかと思ってた。あれ?

 って感じ」と驚いていた。

 協会関係者は「懸賞を出す会社は減っていないが、今場所は出す本数が減っている」と話す。先場所のデータでは永谷園の懸賞は全体の23%を占める。角界にとっても最大のスポンサーの動向は、他のスポンサーにも影響しかねない。永谷園広報は「応援する気持ちは変わらない」と話し、しばらくは角界浄化の行方を見守るようだ。【今井恵太】