エンゼルス大谷翔平投手(29)のシーズンが終了し、ファンにとっては一足早いオフモード。しかしそんな状況でも、米メディアは毎日のように大谷の話題でにぎわっている。先日、レッドソックスの試合を中継する地元テレビ局「NESN」の放送を見ていたら、まったく関係のないホワイトソックス戦の際中だったが、大谷の今オフの去就を話題にしていた。実況と解説が「一体どの球団にいくのか」「ボストンのフェンウェイパークは好きな球場だと言っていたね」といった会話を展開。レッドソックスなどでプレーした元三塁手で同局のリポーターを務めているウィル・ミドルブルックス氏は中継番組のリポートで「球団はオオタニの獲得競争に参戦する見込みだ。フロントは今、どうやったら獲得できるか思案を重ねている」と伝えている。

米野球メディア界でも屈指の敏腕として知られるケン・ローゼンタール記者は22日のポッドキャスト「ファウル・テリトリー」でヤンキースとメッツが大谷争奪戦に参戦する可能性をテーマにトーク。「ヤンキースは疑問だが、オオタニがもし東海岸に行ってもいいと言うのであれば、メッツは全球団中で最高額を提示するだろう」と見解を述べていた。さらに米専門テレビ局MLBネットワークの情報番組では、契約金がいくらになるかを予想するトークを繰り広げていた。こんなふうに今から話題が尽きないとなると、実際にFA交渉が解禁されストーブリーグがスタートしたらどんなことになるのだろう。

昨オフは、トップFAだったヤンキースのアーロン・ジャッジ外野手(31)の去就を巡って報道が過熱した。まだ何も決まっていない10月末の段階で、ジャッジがヤンキースの公式インスタグラムのフォローを外したという情報が米メディア関係者によって流され、球団と決別かと騒動になった。ヤンキースと再契約する直前には、ジャイアンツと合意に近づいているという情報が米有名野球記者から流され、やはり騒動になった。このときジャッジ本人には、ヤンキース関係者や友人、知人から真相を問う連絡が殺到し、大変な状況になったという。

大谷は2度目の右肘手術を受けたとき代理人のネズ・バレロ氏が手術の詳細を明かさなかったため、米メディアからは「なぜ?」「理解できない」などの疑問の声が上がっていた。もしかしたら同氏は、FAで史上最高額の契約をすることが確実視されている大谷を過熱報道から守るため、情報をほとんど出さなかったのではないだろうか。これからストーブリーグにかけて、米国では大谷情報を巡るメディアと代理人による攻防が続くのかもしれない。【水次祥子】(ニッカンスポーツ・コム/MLBコラム「水次祥子のMLBなう」)

エンゼルス大谷翔平
エンゼルス大谷翔平
エンゼルス大谷翔平(23年8月30日撮影)
エンゼルス大谷翔平(23年8月30日撮影)
エンゼルス大谷翔平(2022年6月9日撮影)
エンゼルス大谷翔平(2022年6月9日撮影)
エンゼルス大谷翔平(2023年6月9日撮影)
エンゼルス大谷翔平(2023年6月9日撮影)