レッズ秋山翔吾外野手(31)、レイズ筒香嘉智外野手(28)らメジャーに新たに挑戦する日本人野手が、オープン戦で好スタートを切った。秋山は初打席初スイングでクリーンヒット。筒香も初打席初安打を放ち、2試合目で左越えの本塁打をマークするなど、持ち味を十分に発揮した。

結果ももちろん大事だが、チームから求められる仕事がより重要なポイントになる。秋山の同僚で、投手兼外野手の二刀流選手、マイケル・ロレンゼン投手(28)が、興味深いことを言っていた。秋山を「彼はスパーク・プラグ(Sparkplug)みたいな存在」と例えた。スパーク・プラグは車で言えば、ガソリンを燃焼させる役割を担い、エンジン稼働に不可欠な部分。つまり秋山はレッズ打線に火をつけ、活発化させることを期待されている訳だ。

昨年、レ軍の出塁率3割1分7厘はナ・リーグ中地区で最下位。中軸のスアレスは、リーグ2位の49本塁打のうちソロ本塁打が約6割の29本で、効率の悪い点の取り方が目立った。オフには昨年35本塁打のムスタカス、27本塁打のカステラノスを獲得。長打力のある選手をさらにそろえた。だからこそ、主軸選手の前に秋山が出塁すれば、得点力アップが見込める。

秋山自身、求められる役割は十分理解している。「このチームでどう自分の居場所を見つけるかといったら、どれだけ確率よくコンタクトできるか、ヒットゾーンにボールを飛ばせるか、粘って四球を取れるか、そういうことなのかなと」。25日のエンゼルス戦では第2打席で2ストライクと追い込まれながら、低めの変化球に食らいついて内野安打とした。結果以上に、粘り腰の出塁がチームの評価を高めたに違いない。

レ軍の外野手の中には、守備力に不安のある選手もいる。堅実な守備に定評がある秋山は攻守で貴重な存在だ。ロレンゼンは「このチームに、パーフェクト・フィットだね」とも言った。12年以来8年ぶりのナ・リーグ中地区制覇へ、秋山がキーマンとなりそうだ。【斎藤庸裕】(ニッカンスポーツ・コム/MLBコラム「ノブ斎藤のfrom U.S.A」)

2月18日、キャンプ初日の練習の合間に同僚と笑顔で話すレッズ秋山(右端)(撮影・菅敏)
2月18日、キャンプ初日の練習の合間に同僚と笑顔で話すレッズ秋山(右端)(撮影・菅敏)