第2のピアザ誕生なるか。95年に野茂英雄がドジャースに移籍し、1年目から大活躍。日本でもメジャーリーグブームが起きた。毎日のようにドジャース戦が放送され、1番デシールズ(バトラー)、2番オファーマン、3番ピアザ、4番キャロス、5番モンデシーと、すっかり打順を覚えてしまった野球ファンは少なくなかった。今年でいえば、エンゼルスの選手についてはスターのトラウトだけでなく、オハピーやレンフロー、ウォードやネトを覚えたようなものだ。

マイク・ピアザは主砲というだけでなく、野茂とバッテリーを組んでいたこともあり、日本でも特に人気を集めていた。イタリア系で、ひげと伸ばした後ろ髪もおしゃれだった。これに目を付けたのがCM業界。建設機械メーカーのコマツのCMに出演することになった。「ジャストミート」というセリフまであった。CMに野茂は登場することなく、ピアザが単独出演していた。石川県にルーツを持つコマツが、同県出身の松井秀喜のヤンキース移籍に伴い、ヤンキースタジアムの右翼席に広告を出す8年も前のことだ。

前置きが長くなったが、今回取り上げたいのは、ドジャースのジョー・ケリー投手(35)だ。19年からドジャースでは背番号17をつけていた。今回、大谷が加入することで背番号を譲り、99番に変更となった。大学時代にもつけていただけに、愛着もあった。それでも「もし大谷がこれからも成績を残し続けるなら、彼は将来的に殿堂入りし、私の背番号も永久欠番となる。それが私が殿堂入りする最も近い方法だよ」。ジョークを飛ばすなど、快く譲った。ケリーはメジャー12年で450試合に登板し、53勝37敗7セーブ、90ホールドという中継ぎ投手だ。

妻アシュリーさんがインスタグラムに投稿した動画が最高だった。軽快なワムの音楽とともに、ポンポンと夫の背番号17のTシャツを自宅の庭に投げ捨てた。そして、白いTシャツを着た夫の背中にマジックで「KELLY99」と書き入れた。ユーモアあふれる、すてきな動画で、大谷に喜んで背番を譲る様子が伝わってきた。大谷が返礼品として高級車ポルシェを贈った様子も披露。なんともハッピーな一件落着となった。

一連の流れは、多くの日本人の心に深く刻まれたはずだ。ケリーと妻アシュリーさんは、今やオールスター選手より有名だ。しかも抜群の好感度。アシュリーさんは美人でもあり、夫婦ともに清潔感もある。これは、日本の企業がCMに起用してもおかしくはない。今年はヌートバー(カージナルス)が、WBCの日本代表入りをきっかけに、メガネや食品のCMに出演した。流れもきているだけに、ケリー夫妻の今後に注目したい。【斎藤直樹】

(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「斎藤直樹のメジャーよもやま話」)

14日、ドジャース入団会見で背番号17のユニホームを来て笑顔を見せる大谷
14日、ドジャース入団会見で背番号17のユニホームを来て笑顔を見せる大谷
アシュリーさんのインスタグラムから
アシュリーさんのインスタグラムから
ジョー・ケリーの妻、アシュリーさんのインスタグラムから
ジョー・ケリーの妻、アシュリーさんのインスタグラムから
ジョー・ケリーの妻、アシュリーさんのインスタグラムから
ジョー・ケリーの妻、アシュリーさんのインスタグラムから