メジャーリーグはオールスターゲームが終わり、後半戦に突入しました。ドジャース大谷翔平投手はオールスターで歴史的初アーチを飾り、はずみを付けてシーズン後半戦に臨めそうです。大谷の記録について、後半戦の見どころをご紹介します。後述しますが、今年は強豪チームに加入したことで、タイトル獲得には日程という新たな「壁」が現れるかもしれません。
大谷の記録で最大の見どころは、2年連続ホームラン王なるかでしょう。ここまでで一番の驚きは、投手有利な球場を本拠地としながら前半戦リーグ最多の29本塁打をマークしたことです。このまま行くと48本ペースで初の「50本塁打」も狙えそうです。2年連続本塁打王どころか、3冠王も狙える位置にいます。パワーヒッターながら前半戦リーグ2位の打率3割1分6厘。また、同じくリーグ2位の117安打を放ち、シーズン195安打ペース。もしかしたら史上5人目の「50本塁打&200安打」に到達するかも知れません。
前半戦は29本塁打を打ったと同時に、23盗塁をマークしました。メジャーで唯一、前半戦20本塁打&20盗塁をクリアし、48本塁打に加えて38盗塁ペース。ホセ・カンセコらに次いで史上6人目の「40本塁打&40盗塁」どころか、前人未到の「50本塁打&40盗塁」も届きそうな勢いです。
さらに今季前半戦リーグトップの56長打、235塁打をマーク。これは年間93長打、392塁打ペースで、夢の100長打、400塁打にも注目です。ちなみに、ヤンキースのアーロン・ジャッジはメジャー最多の59長打で97長打ペースとなっています。
気になるのはシーズン後半戦の日程です。日程を調べて見ると、何と65試合中44試合が勝率5割以上のチームと対戦です。特に、8月は27試合中24試合が勝率5割以上のチーム。しかも、勝率6割を超えるフィリーズやオリオールズとの対戦も組まれています。
しかし、9月になると26試合中14試合が勝率5割未満のチームとの対戦となります。特に、最後の12試合中9試合は各地区最下位のマーリンズやロッキーズ戦。最後は「バッター天国」と言われるコロラド州デンバーでのロッキーズ戦で終わり、最終戦で50本塁打や200安打の金字塔も期待したくなります。
一方でチームが早く優勝を決めると、主力を温存させる可能性も出てきます。ポストシーズンの本拠地開催権を獲得するために高い勝率を残すことも大事ですが、それ以上に選手がベストな状態でポストシーズンに臨むことが大事。大谷も何試合か休むことが考えられます。
また、今の時代はヤンキースもそうですが、常勝チームというのは意外にタイトルホルダーが出ていません。なぜなら、個人の成績や記録を犠牲にし、チームの勝利を最優先するからです。だから、毎年のように優勝コンテンダーになれるわけです。
実際、ドジャースも11年連続プレーオフ出場し、うち10度地区優勝していますが、その11年間に打撃主要3部門でタイトルを獲得したのは14年打点王のエイドリアン・ゴンザレス、21年首位打者トレー・ターナー(フィリーズ)の2人だけ。ホームラン王に輝いた選手は1人もいません。そんな中、もしチームが地区優勝し、大谷がタイトルを取ろうものなら歴史的快挙。しかし、大谷だったらチームが地区優勝し、3冠王を取っても決して驚かないでしょう。それが世界のスーパースター大谷だからです。
【大リーグ研究家・福島良一】(ニッカンスポーツ・コム/MLBコラム「福島良一の大リーグIt's showtime!」)




