皆の予想通り、総額で史上最高となる13年総額3億3000万ドルの大型契約をフィリーズと結んだブライス・ハーパー外野手。2012年にメジャーデビューし、これまで184本塁打、521打点、打率2割7分9厘を記録し、2015年のナ・リーグMVPでオールスター6回選出でまだ26歳ということを考えれば納得の数字である。そしてこの契約が1日に正式発表されると、強烈なハーパー旋風が巻き起こることとなった。

まずフィリーズのチケットだが、わずか2日間で18万枚を売り上げたのだという。テレビもハーパー対応で、3月28日に行われるブレーブスとの開幕戦こそローカル放送だが、以降4試合はスポーツ専門局ESPNなどが全米中継する。

さらに驚くのがマーチャンダイジング関連だ。各スポーツリーグ公式グッズをネット販売するファナティックスによると、ハーパーの新ユニフォームを同日販売開始したところ24時間以内の売り上げで、すべてのスポーツ選手の中で史上最高額を記録したという。さらにこの日のフィリーズグッズの売り上げは、昨年の同日に比べ5000%増だったということだ。

ちなみにフィリーズでのハーパーの背番号はナショナルズ時代の34ではなく、3となっている。これは34を2017年に飛行機事故で早世したロイ・ハラデーがつけており、事実上の永久欠番になっているためだ。ハーパー自身「ロイ・ハラデーがそれをつける最後の人物になるべきだ」と語っている。

さらにソニー・インタラクティブエンタテインメントはMLBを題材にしたテレビゲーム「MLB The Show 19」のカバーにハーパーを起用している。ただハーパーがFAとなっていたため、昨年11月に公開した予告映像ではハーパーはナショナルズのユニフォームを着ていたものの「最終カバーでブライスはどのユニフォームを着るだろうか?」というコピーを使用。さらにその後発表されたカバー写真でハーパーはユニフォームではなく、グレーのパーカを着用していた。今回の契約を受け同社はすぐさまフィリーズのユニフォームと帽子を着用したハーパーのカバー写真を発表している。3月26日の発売日にはこの新カバー写真をつけたパッケージで販売されるという。

ボブルヘッド人形で有名な玩具メーカーのFOCOも素速い対応を見せている。人気ドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」とコラボしたフィリーズのユニフォーム姿のハーパーがドラマの玉座に座るボブルヘッド人形を発表、限定発売したのだ。

この他にも数多くの企業がハーパーを起用した製品を続々と開発している模様だ。しばらくはハーパーブームが続きそうである。