MLBでじつに80年ぶりとなる新記録が達成された。現地25日のホワイトソックス-カージナルス戦でジョー・ウェスト氏が球審を担当し、さばいた試合数がメジャー史上最多の通算5376となったのである。
これまでの記録は1905年から41年まで審判員を務め、殿堂入りしているビル・クレム氏の5375試合だった。ウェスト氏は24日の同カードで一塁塁審を務め、史上最多タイとしている。タイ記録となったことでウェスト氏は「ルー・ゲーリッグが“世界で最も幸運な男”と話したのは知っているが、それは私のことだ」とコメントしていた。
25日の試合前には現役と元審判員、さらにはカントリー歌手ガース・ブルックスなどが出演した祝福ビデオが上映され、ウェスト氏のリクエストによりホワイトソックスのジャージーを来たゴスペルグループ、オークリッジ・ボーイズが国歌を歌う演出がなされている。
これに対し、試合後ウェスト氏は「涙をこらえるのが大変だったが、トム・ハンクスが『野球では泣かない』と言っていたので、できなかった」と映画「プリティ・リーグ」でのハンクス氏の有名な台詞を引用したコメントをしたということだ。
ウェスト氏のメジャーでの審判デビューは1976年。球審を務めた最初の試合でマウンドに立っていたのは「伝説のナックルボーラー」故フィル・ニークロ氏だったという。
ワールドシリーズでは6回、オールスターゲームでは3回審判を務めたウェスト氏は既にレジェンド審判としてメジャーでは最も知名度の高い審判員だ。ホワイトソックスのトニー・ラルーサ監督は「多くの審判員があるべき姿を表しているので、記録を作るには完璧な男だ」と称賛している。さらにウェスト氏について「非常に安定している。彼は試合をコントロールし続ける。それは審判がすべきことだ」とも話した。
率直な発言と歌好きでも知られるウェスト氏は「カウボーイ・ジョー」、「カントリー・ジョー」との愛称でも親しまれるが、その存在感ゆえ反感を持つファンも多い。実際25日の試合前のセレモニーではブーイングを浴びせたファンもいた。ただし試合が成立し、新記録が確立した6回前の花束贈呈ではほとんどのファンが拍手を贈ったということである。
一方でウェスト氏はこの試合のために多くの友人や家族を招待したため、116枚ものチケットを購入したのだとか。「私がこれまでに審判をした中で、最も高価な試合になるだろうね」ともコメントしている。




