レンジャーズのダルビッシュ有投手(30)が21日(日本時間22日)、敵地でのレイズ戦で今季最多12三振をマーク。野茂英雄氏を抜き、日本人投手最多となるメジャー通算32度目の2桁奪三振を記録した。自己ワーストタイの3被弾は許したが8回を3失点。勝敗はつかなかったものの延長10回の勝利に貢献し、チームの連敗を5で止めた。

 速球が復活した。96マイル(約155キロ)以上をコンスタントに計測。今季最速タイの98マイル(約158キロ)も3球記録した。制球も抜群で奪った28回の空振りのうち、21回が真っすぐによるものだった。「リリースの感じを変え、トレーニングも、オールスターから変わってきている」。速球を投げる時のクセを矯正。球宴で一緒になったメジャーを代表する両腕シャーザー(ナショナルズ)カーショー(ドジャース)からトレーニングのヒントも得た。

 「軽く投げているように見えるんだけど、バッターが狙っても当たらないというのが一番いい球だと思う。今日、最初はそういういい球を投げられた」と手応えは大きい。バニスター監督も「内角高めをえぐる速球は最高」と絶賛した。

 トレード期限が近づき、周囲も慌ただしい。大リーグ公式サイト記者のツイッターによると、この日のレイズ戦をドジャース、カブスのスカウトがチェック。ニューヨーク・ポスト電子版はヤンキースのスカウトも観戦したことを報じた。次回は26日マーリンズ戦。評価が上がったダルビッシュの、移籍前最終登板になる可能性もある。(セントピーターズバーグ=水次祥子)