大谷翔平投手が放った19号は、打球速度が時速105・6マイル(約169・9キロ)、角度30度とお手本のような会心の打球だった。

大リーグ公式の野球解析システム「スタットキャスト」が16年頃から新たに導入した「バレル」という打球の優劣を判断する指標がある。バレルの打球とは、理想的な打球速度と角度で打つことで本塁打を含めた安打性の打球に最もなりやすい打球のことで、基本は速度98マイル(約157・7キロ)以上、角度26~30だ。しかし打球速度が1マイル上がり99マイルになると、バレルに該当する角度は25~31度になり、1マイル増えるごとに1度つず広がる等のゾーン計算がなされる。

大谷は、1打席ごとのバレル率(Brls/PA%)が9・7%でメジャーでは現在7位、同僚トラウトよりも上だ。今季19本塁打のうちバレルは16本。昨季本塁打王で新人王のジャッジ(ヤンキース)は今季26本中バレルが21本なので、大谷は「完璧な当たり」度でジャッジを上回っている。ちなみにバレルは野球用語でバットの太い部分のことで、打球をとらえることを英語で「プット・ザ・バレル」などと表現する。【水次祥子】