エンゼルス大谷翔平投手(24)が、巧打と好走塁で、前日に負傷した右太もも付近の不安を一掃した。ホワイトソックス戦に「4番DH」で出場。8回1死走者なし、7試合連続安打となる右中間への技あり安打を放つと、全速力で二塁を陥れた。

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無駄のないコーナーリングで、大谷は一塁を蹴った。8回1死、3番手ミナヤの低めに沈むチェンジアップを拾い、技ありの安打を放った。右中間へ抜ける前にツーバウンドで捕球した右翼手コーデルから、ストライク返球が二塁へ。大谷は、それを上回る素早さで二塁を陥れた。前日、本塁でのクロスプレーで右太ももの内側を痛めたが、不安を一掃。ソーシア監督も「大丈夫。しっかり走れていた」と目を細めた。

走塁技術はメジャーに挑戦した2月の時点で、卓越していた。キャンプで初めて大谷の走塁を見たイベル三塁コーチは「多くの選手にベースの内側を蹴るように言うが、翔平は既に出来ていた。素晴らしいコーナーリング」と舌を巻く。この日も、最短距離で一塁ベースを踏み、大きなストライドでトップスピードに到達。これにホ軍右翼手のコーデルは、まいったといった表情で「かなり素早く投げたつもりだったし、いい送球をした。素晴らしいスピード」と脱帽。観客もどよめく快足を見せつけた。

足だけでなく、出場した試合で7戦連続安打、かつ5試合連続長打と打撃好調もキープ。10日(同11日)には本拠地アナハイムへ戻り、右肘内側側副靱帯(じんたい)損傷を治癒するため、右肘のトミー・ジョン手術を受けるか否かも含め、エプラーGM、医療スタッフと今後の方針について話し合いを行う予定だ。大谷本人の希望は「シーズンをしっかり最後までプレーしたい」と、打者として残り19試合を全うしたい意向を示している。首脳陣にもそう思わせるような、打って走っての活躍を見せた。