【ニューヨーク=四竈衛】ア・リーグ地区シリーズ第4戦が行われ、ヤンキースがレッドソックスに1勝3敗で屈した。田中将大投手(29)はブルペンで救援待機したが、登板機会はなく、2018年を終えた。

終戦の事実を、田中は淡々と受け止めた。「悔しいです。明日から、抜け殻じゃないですけど、そんな感じになってしまうかもしれませんね」。メジャー5年目の今季は、過去3年間続けた開幕投手をセベリーノに譲った。6月中旬からは両太もも裏痛で約1カ月間、離脱した。その一方で、夏場以降は本来の調子を取り戻し、ヤンキースの年間100勝に貢献した。「10月男」の本領を発揮し、6日(同7日)の第2戦では5回1安打で勝利投手。第5戦までもつれれば、先発の最有力候補に挙げられていた。

入団当時の主将ジーターらの時代から若手への世代交代が進み、田中の立場も変わった。「最初の頃はがむしゃら。今の方が間違いなく、いろんなものが見えるようになってきて、ちょっと違った悔しさを感じてるかもしれません」。若いチームが成熟するために、何を求められ、何をすべきか。敗れた悔しさが、世界一への思いを、さらに強くさせた。