米メジャーリーグは11日(日本時間12日)、年俸調停権を持つ選手が球団と希望額を交換する期限を迎え、調停を避けた駆け込み合意で記録的な大型契約が続出した。昨季MVPに輝いたレッドソックスのベッツ外野手は、前年からほぼ倍増で調停権2年目としては史上最高額。昨季サイ・ヤング賞に輝いたメッツの先発右腕デグロムは増額が史上最高の960万ドル(約10億6000万円)となり、インディアンスのリンドア内野手は年俸調停権獲得1年目の選手としては史上2番目の高額契約となった。

年俸調停は通常、メジャー3年以上6年未満で翌年の契約が決まっていない選手に与えられる権利。直接交渉で年俸が決まらなければ調停にかけられる。FA前の選手は年俸を安く抑えられることが通例だったが、ここ数年はデータ分析による選手評価が浸透。数字にかなった年俸が与えられるように変わってきた。

昨年もブルージェイズとドナルドソン内野手(現ブレーブス)が調停権を持つ選手では史上最高額の2300万ドル(約25億3000万円)で契約しており、前例が出たことで、今季は高額契約の流れがさらに強まった。

また、この日の期限までに合意に至らなかった選手は15人。昨季3度目の本塁打王に輝いたロッキーズのアレナド内野手は、球団側の2400万ドル(約26億4000万円)提示に対し、3000万ドル(約33億円)を要求している。いずれの金額に決まっても、調停権を持つ選手の年俸新記録となる。【水次祥子】