マ軍菊池雄星投手(27)が、和洋折衷の投球でメジャーデビュー戦に挑む。

21日の開幕第2戦の先発を控えた20日、意気込みを語った。「15歳の時から花巻東の佐々木監督から『メジャーを目指そう』と言われていた。一時期はそんなことを言ってられる状況ではなかった。とにかく目の前の試合をアピールする時期があった。そして明日、舞台に立てるのは感慨深いです」。ここまでの道のりを凝縮したような言葉だった。

相手は昨季両リーグで3位の本塁打数を誇るアスレチックス。本塁打王デービスはじめ、開幕戦では20発以上の打者が5人並んだ。菊池は17、18日の日本ハム戦を分析、この日もベンチから見守った。「自分のボールを、とにかく捕手のミットに目がけて丁寧に投げる」。培った技術をストレートに表現するつもりだ。

米国で学んだこともある。開幕投手を務めたゴンザレスのチェンジアップを参考にしている。「チェンジアップのコントロールがいい。キャンプからどう投げたらいいか聞いてきた。同い年だし、彼のたくさんのルーティンが勉強になる」。日本では150キロ超えの速球と高速スライダーが軸球だったが、米国流のエッセンスを加えている。

イチローの勇姿を見届けた。「1ファンの気持ちで見ていた。一緒にプレーできるのは僕にとってギフト」と感謝した。交代時には「明日、頑張って」とエールを送られた。「まさかメジャーのキャリアのスタートを日本で迎えるとは思わなかった。後にも先にも、こんな経験はない」。菊池のアメリカンドリームがくしくも、日本で始まる。【広重竜太郎】

▼菊池が開幕2戦目に先発する。大リーグ初登板で先発した日本人投手は、昨年4月1日の大谷翔平(エンゼルス)まで17人いる。左腕は02年石井一久(ドジャース)07年井川慶(ヤンキース)14年和田毅(カブス)に次いで4人目。17人の勝敗は11勝3敗。チーム2試合目で先発デビューは09年上原浩治(オリオールズ)に並ぶ最速。