来年3月に開催予定だった第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)が23年以降に延期される見通しだと、11日付のESPN電子版が伝えた。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、3月に米アリゾナ州で予定されていた予選大会も無期延期。東京五輪が来夏に延期されるなど他のスポーツイベントも軒並み延期されており、日程の調整が避けられない状況になっていた。

WBCはMLB機構と同選手会の主催で、06年から開催。イチローらがけん引した日本が第1、2回大会を連覇した。その後は、大会の形式を変えながら、4年ごとに開催され、13年はドミニカ共和国、17年は米国が優勝し、徐々に世界に認知されるようになった。

第5回大会は、過去最多となる20の国・地域が参加予定。来年3月に東京、台湾などで第1ラウンドが開催され、準決勝、決勝は米フロリダ州マイアミで行われることが決まっていた。

WBCの日程と開催要項は、MLBと選手会の労使協定に含まれており、現在の協定は来年12月で有効期限切れとなる。次回以降のWBC開催要項は22年からの新労使協定に盛り込むため再協議が必要になり、早くても23年の開催になるとみられる。

◆チェコ 現地のメディアが「21年WBCはなくなった。チェコの選手は3月の予選から本戦出場を目指していた」と大きく報じた。

◆中南米 スポーツメディア「アルバット」が「パンデミックは国際野球にも大打撃を与える」と伝えた。

◆キューバ 現地メディア「ベースボール・キューバ」が「新型コロナが世界の野球の予定を狂わせた」としながらも、延期により優れた選手を集められる可能性が高まると利点も挙げた。

◆米国 延期やむなしの論調が多く、ニューヨーク・ポスト電子版は「17年に優勝した米国代表が、しばらく王座から降りることはない」とした。

◆フランス、ドイツなど 予選から参加する予定だった国のメディアが速報で延期を報道した。