MLBの今季開催要項が11日、オーナー会議で協議され、7月4日の独立記念日に無観客で開幕することを目指し、レギュラーシーズン82試合と14チームによるプレーオフを開催などでまとまった。ア、ナ両リーグ混合で東西中の3地区に分かれ、他地区との対戦を基本的に行わず、日本人対決も限定的な顔合わせとなる。選手に陽性者が出た場合もシーズンを続行する、大胆な計画も明らかになった。

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MLBが、新型コロナウイルス感染拡大で半分に短縮するシーズンを大胆なプランで行う。レギュラーシーズンは、移動による感染リスクを避けるため同地区のみの対戦。各地区の両リーグ10チーム内で82試合をこなし、交流戦が多くなるためDH制を両リーグで導入する。日本人対決は、東地区がヤンキース田中-レイズ筒香-ブルージェイズ山口、西地区がエンゼルス大谷-マリナーズ菊池と平野、中地区がカブスのダルビッシュ-レッズ秋山-ツインズ前田の顔合わせに限定される。

米国ではまだ1日に新たな感染者が2万5000人以上出ている状況にあり、シーズン中に選手から感染者が出るリスクも懸念される。だが米スポーツテレビ局SNY電子版によると、感染者が出た場合でもシーズンを中断することはないという。ある球団幹部の話として伝えたもので、1人の選手が陽性となった場合はチームから隔離し、同時にそのチーム全員に検査を行う。陽性選手は全員隔離し、陰性の選手はプレーを続行するという。

出場選手登録はベンチ入り30人、入れ替え可能なベンチ外メンバー約20人と、通常の26人枠から大幅に拡大されており、陽性選手が複数出た場合でも対応できる体制になっている。またシーズン中には頻繁に選手の検査を行い、常に感染の有無を確認し管理する。既に開幕した韓国プロ野球では、選手に感染者が出た場合はシーズンを中断するとしているが、MLBはいったん開幕すれば最後までやり切る予定だ。

ただし、この開催案は12日に選手会に提出し、合意を得て初めて成立となる。選手会は報酬面で反発しており、成立まで難航する可能性もある。