エンゼルスが大谷翔平投手(27)との契約延長について、今春キャンプ終盤にCAAスポーツの代理人ネズ・バレロ氏と交渉を行っていたことを14日(日本時間15日)、「ジ・アスレチック」など複数の米メディアが報じた。大谷は昨年2月に2年850万ドル(約11億1000万円)で契約合意。今オフが年俸調停の最終年で、来シーズン終了後にFAとなれば、各球団の争奪戦&史上最高年俸を超える大型契約となることが予想されている。

米大リーグの歴代年俸10傑
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大谷とエンゼルスの行方は、シーズン中もオフも目が離せなくなりそうだ。「ジ・アスレチック」のベテラン記者ケン・ローゼンタール氏が、今春キャンプ終盤に球団と代理人の交渉が非公式に行われていたことを報じた。球団側は、メッツの右腕シャーザーの年俸4330万ドル(約56億3000万円)を超える史上最高額のオファーが大谷との契約延長には必要と理解しながら、FA市場で提示されるような長期契約はためらっているという。

待遇や条件も交渉材料となる一方で、鍵はチームのプレーオフ(PO)進出だ。大谷は昨季終盤の9月26日、正直な気持ちを吐露した。「もっともっと楽しい、ヒリヒリするような9月を過ごしたいですし、クラブハウスの中もそういう会話であふれるような9月になるのを願ってますし、来年以降、そうなるように頑張りたい」。さらにエンゼルスに「ファンの人も好きですし、球団自体の雰囲気も好きではある。ただ、それ以上に勝ちたいっていう気持ちの方が強い」と言った。

大谷と同様、代理人のバレロ氏もチーム状況を気にしており、エンゼルスには結果が求められる。まだシーズン前半だが、5月15日に貯金を最大11まで積み上げながら、球団ワーストの14連敗で失速。PO進出へ、チーム立て直しでマドン前監督は解任された。だが、ネビン監督代行に代わっても2勝5敗と波に乗れない。

大谷のメジャー挑戦から昨年までの4年間、チームは全シーズン負け越し。二刀流をいかに活用し、PO進出へつなげるかも今後の争点となりそうだ。MLB公式サイトは、来季で29歳となる年齢や故障歴を考えると、どれだけ二刀流を継続できるか分からないとも指摘した。エンゼルスはトラウト、レンドンと大型契約を結んでおり、もし大谷に年俸4500万ドル(約58億5000万円)クラスで契約すれば、3人だけで年間1億2000万ドルほどかかる計算になる。球団にとっても簡単な決断ではない。

最高年俸選手となり、移籍するのか、それとも残留か。現時点では予想は難しいが、最も注目を浴びる去就であることは間違いない。