【ダイアーズビル(アイオワ州)11日(日本時間12日)=水次祥子】カブス鈴木誠也外野手(27)が、名作映画の舞台で試合を行う「フィールド・オブ・ドリームス・ゲーム」に日本選手で初めて出場し、決勝打を放った。レッズ戦に「4番右翼」でフル出場。1回2死一塁で、左中間を破る適時二塁打を放ち勝利に貢献した。試合前のセレモニーや選手入場の感動的な演出に、高まる気持ちを結果につなげた。

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映画さながらの感動的なセレモニーに、鈴木は気持ちが高まった。外野後方に広がる身長よりも高いとうもろこし畑からフィールドへ。通算438本塁打を放ったアンドレ・ドーソン、通算473セーブを記録したリー・スミスら殿堂入りしたカ軍OBと一緒にスポットライトを浴びた。グラウンドが、華やかな大舞台だと感じた瞬間だった。

「今までに味わったことのない雰囲気で、すごく鳥肌が立ちましたし、すごく感動しました」。

その感情が、初回から結果につながった。2死一塁で迎えた第1打席、1ストライクから先発左腕ロドロの甘い球を見逃さず、左中間へ鋭い当たりの先制適時二塁打。塁上ではガッツポーズも自然と出た。「(感動した)状況そのまま試合に入れたので、すごく感情的にもなってました。勝ちたいなという思いがすごく強くなったので、何とか先制点というのもありましたし、すごくうれしかったです」。鈴木の先制打が口火となりチームは初回に3点を奪った。

華やかな舞台の陰には、強行スケジュールという大変さもあった。試合当日に本拠地シカゴから移動し、試合後はシンシナティへの遠征に向かった。それでも、「もちろん疲れとかもありますけど、その疲れが吹っ飛ぶぐらいの、すごくいい雰囲気でやれたので、良かったです」と満足げだった。

米国でも注目度が高い同試合に日本人で初めて出場。「運が良かったかなというか、良かったです」。試合前にはとうもろこし畑の中を歩き、記念撮影もした。夢のような舞台を堪能していた。