【グレンデール(米アリゾナ州)27日(日本時間28日)=斎藤庸裕】ドジャース大谷翔平投手(29)が、実戦復帰の移籍後初戦を衝撃の1発で飾った。ホワイトソックスとのオープン戦に「2番DH」で出場。5回2死二塁から右腕リオーネの直球を捉え、打ち上げたかと思われた打球が左翼フェンスを越えた。177日ぶりの復帰戦、かつドジャース移籍後初の実戦で、昨季リーグ本塁打王があいさつ代わりの1発。3月20日のパドレスとの開幕戦(韓国・ソウル)に向けて万全の状態を示した。

   ◇   ◇   ◇

青空に、高速で舞い上がった打球の行方を皆が一斉に追った。青の背番号17を背負った大谷も、確信なく走り出した。滞空時間が長くなるにつれ、どよめき始める場内。伸びた打球が左翼スタンドへ到達すると、どっと沸いた。内野からバックネット裏までファンは総立ち。拍手と歓声がしばらく、鳴りやまなかった。

「たくさんの人に見にきてもらって、声援もすごく多かったですし、なによりも、チーム関係なくこの時期にこうやって、手術もありましたけど順調に戻って来られて、それが今日一番良かったかなと思います」

観客の期待に応えただけでなく、新たな仲間との“約束”も果たした。満面の笑みで最初に迎えてくれたのが3番フリーマン。大谷は「僕が(アウトで)終わっていたら、もう1回守備に行かなければならなかったので『絶対打ってくれよ』と言われていて、回せて良かった」と笑って明かした。5回2死二塁、凡退すれば攻守交代となり、3打席で終える予定だったフリーマンは6回の守備につく必要があった。だが、大谷がつなげた。それも衝撃弾で。だから、はち切れんばかりの笑顔が待っていた。

新天地で強烈な印象を与えるには十分すぎる衝撃弾。手術した右肘を守る黒のブレイス(装具)を右腕に着用しているが、インパクトですさまじい破裂音を残した。フルカウントで、当然フルパワーの強振もできない。「普通な感じでした。長打を狙っているわけではなく、全体的に言えることですけど、シンプルにゾーンを振る」。右腕リオーネの95マイル(約153キロ)を“普通”に振って捉えた。そして、「高いかなと思った」打球が、入った。乾燥した気候で飛距離が出やすい条件を差し引いても驚異的だった。

メジャー7年目。移籍で環境は変わったが、冷静に修正を重ねる姿は変わらない。「打席を重ねるごとに反応も良かった」。1打席目は見逃し三振で、2打席目は捉えながらも併殺打。ようやく3打席目、好感触と結果が一致した。復帰戦、そしてド軍に移籍後初の実戦で期待通りの1発となったが「まだ1試合目なので、これからかなと。しっかりチームに貢献して、早く認めてもらえるように」。交代後、メディア対応を終えると早速ウエートルームでトレーニングを行った。慢心はかけらもない。まずは開幕戦で打者復帰へ、確かな1歩を踏み出した。

▼大谷がオープン戦のシーズン初戦で本塁打。オープン戦の打者出場初戦で1発は日本ハム時代の14、17年にあるが、大リーグ移籍後は初めて。2月のオープン戦アーチは日米を通じて初めてとなった。

▼日本人大リーガーがオープン戦のシーズン初戦で1発を放ったのは、03年2月27日の松井秀喜(ヤンキース)以来21年ぶり。松井は大リーグ移籍1年目のデビュー戦(対レッズ)で2打席目に2ランを打った。

【動画】これぞ大谷翔平!いきなり左翼へ衝撃弾 ファン興奮のドジャースデビュー