【ロサンゼルス(米カリフォルニア州)28日(日本時間29日)=久保賢吾】ドジャース大谷翔平投手(30)が、愛犬デコピンとともにファンを魅了した。この日は自身のボブルヘッド(首振り人形)デーで、注目された始球式に一緒に登場。投手役のデコピンが、捕手役の大谷にボールを届けた。試合では42号の先頭打者本塁打を含む2安打2盗塁で、アレックス・ロドリゲス以来2人目の「42本塁打-42盗塁」を達成。3度生還し、得点は自己最多の104に達した。メモリアルな日を白星で飾った。
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試合前の始球式に、大谷が大事な“家族”と現れた。デコピンを抱きかかえ、マウンドへ。何度も訓練したことを再確認するように意思疎通し、捕手役として本塁で待ち構えた。大谷がプレート前に置かれたボールを指さすと、デコピンがくわえ、本塁へ向かって駆け出し“ストライク投球”。大谷はねぎらうようにハイタッチし、拍手と歓声を浴びた。
「素晴らしかったです。いい何かおやつを買ってやりたいなと思います」
秘密の特訓の成果を発揮した。ボブルヘッドデーは、家族らが始球式を務めることが恒例。愛犬との登場は異例だったが、大谷にとってデコピンは「家族」。ボブルヘッド人形にも登場することから「やってみようかと。失敗してもそれはそれでいいのかなって」と決めた。2~3週間練習し、ドジャースタジアムでも1度予習。「遊びながら」訓練した。
デコピンの活躍に、最も心を打たれたのは大谷本人だった。「打席よりも緊張した。ホッとしました」と肩の荷が下りた後の1回の打席。ナ・リーグ21年サイヤング賞のバーンズのスライダーを右翼席に運んだ。42号ソロで、今季2度目の月間2ケタ本塁打。同一シーズンで複数月の2ケタ到達は自身初となった。
大谷とデコピンに、ファンもチームメートも魅了された。ロバーツ監督は、どちらの活躍が印象的だったかと聞かれ「デコイ(デコピン)」と笑顔で返答。「あんなに訓練されていたことに感激したよ。でも、ショウヘイの犬だから何も驚くことはないね」と終始笑顔を交えながら、ロバーツ流の分析で周囲を納得させた。
この日は、5万3290人のファンが集まった。大谷も「来た時にちょっとビックリした。何か違うイベントがあるのかなと」と驚く熱狂ぶりだった。デコピンが描かれたスパイクをはき、史上2人目の「42本塁打-42盗塁」も達成。先着4万人にボブルヘッド人形が贈られ、グラウンドでも快挙を届けた。
▼大谷が1本塁打2盗塁で今季通算を42本塁打&42盗塁とした。両部門で42以上は、98年アレックス・ロドリゲス(マリナーズ)の42本&46盗塁以来2人目。本塁打&複数盗塁は17日以来、今季3試合目。1900年以降、86年リッキー・ヘンダーソンの5試合、87年エリック・デービスの4試合に次いで、12人と並ぶ3位タイ。
▼大谷は8月の月間本塁打を10、月間盗塁は14とした。両部門で月間10以上は、MLBのラングス記者によると昨年9月のアクーニャ(ブレーブス)以来8人目。月間14盗塁は今年7月にマークした12盗塁を上回る自己最多。日本人選手の月間14盗塁以上は、08年5月に18盗塁したイチロー(マリナーズ)だけで、16年ぶり2人目。
▼初回先頭打者本塁打は今季4本目、通算では10本目。シーズン4本の先頭打者本塁打は、エンゼルス時代の21年に記録した4本に並ぶ自己最多タイ。通算10本はイチローの37本に次ぎ、松井稼頭央の9本を抜いて日本人選手単独2位。
▼大谷は今季3度目の1試合3得点で、今季通算得点を104とした。エンゼルス時代、21年の103を抜いて、自己最多を更新した。日本人のシーズン最多得点は01年イチロー(マリナーズ)の127。
▼大谷(42号)とT・ヘルナンデス(28号)が今季10度目のアベックアーチ。記録会社エライアスによると、同一シーズンで10度は96年ピアザ&キャロス、99年モンデシー&キャロス、2018年ベリンジャー&マンシーに並ぶ球団5位タイ。
◆プロ野球と犬 広島では球審にボールを運ぶボールボーイ犬のミッキーが人気だった。05年3月にデビューし、球審の「来い!」の合図にボール3球が入った竹かごを加えてホームベースに直行。背番号は「111(ワンワンワン)」。ソフトバンクのCMでおなじみの「お父さん犬」もたびたび始球式に登場。13年7月にはピンク・レディーの増田恵子と“共演”した。今年は日本ハムが6月30日に「ワンだふるフェスティバル」を開催し、始球式に「ボール犬」が登場。マウンドに行くはずが途中で戻る“プチトラブル”もあったが、大役を果たした。



