エンゼルス菊池雄星投手(34)が14日(同15日)、ジョージア州トゥルーイストパークでのオールスター戦前日イベントに出席した。
菊池は21年以来のオールスター戦。今季からエンゼルスでプレーし、20試合で4勝6敗、防御率3・11と安定している。
この日は取材に応じ、家族の存在や今年で34歳を迎えた自身のキャリア、豊富な知識や古巣の後輩たちへの思いなどを語り尽くした。
◆菊池雄星の一問一答【全文】
-改めてオールスター戦への気持ち
「非常に光栄ですし、いろんな選手と会話をしながら、過去の一緒にプレーした選手だったりとかとも話できてるので、非常に楽しいですね」
-家族とアトランタへ
「夜中に着いてますけどね、時差がありますから。でも、非常に快適な。やっぱり家族で戦って、家族とそしてトレーナーと通訳と、みんなで1つの目標に向かって戦ってるんで、彼らと一緒にこうやって時間をオールスターで共にできるっていうのは幸せなことですね」
-家族の存在は
「やはり息子にいいところを見せたいと。1日でも長くプロ野球選手でいるところ、メジャーリーガーでいるところ見せたいっていうのが一番の自分のモチベーションになってますから。やはりね、まだまだ今34ですけど、まだまだ止まるつもりはないですし、このままね、1日1日でも長く、家族のためにもプレーしたいなと思います」
-今回はエンゼルスの選手として出場。違うユニホームでも球宴に戻ってこられた
「まずは1回で終わらず、2回目に来られたというのは、非常に僕にとっても大きいことですね。1回目以上に難しい、なんて言うんでしょうね、僕自身の中では価値のあることかなとは思ってます。また、移籍して初年度ですけど、こうやって、初年度がね、一番大事ですから。契約をいただいた中で、こうやってひとまず前半を良い戦い形で戦えたっていうのは、少しほっとしてるところもありますね」
-7年目の前半戦が終了。前に進み続けらる原動力は
「まずケガをしないこと。しっかりとケガをせずに戦っていれば、その中でいろんな経験を積めるので、その経験の積み重ね。7年間ケガなく戦えてるので、もちろん少々の波とかはあるんですけど、その中でいろんな勉強しながら戦えてるっていうのが大きいかなと思います。やっぱりそこでケガをしてしまうと、どうしても学ぶべきところで学べなかったりとか、経験すべきところをできなかったりとか、1年間どうやって調整するかとかっていうのも含めて、やはりケガをしないことっていうことが成績を残すうんぬんではだけではなくて、長期的なところで効いてくるのかなと思います」
-ケガをしないための努力や工夫は
「そうですね、風邪予防と一緒なので、防止はできないですけどね。多少予防はできると思うので。引くときは引くし、ケガするときはケガするので、なんとも言えないですけど。ただ、自分の調整法にあったというか、自分の体に合ったトレーニング方法だったりとか、強度だったりとか、そういうところは年々精度は高まってきているのかなと思います」
-勝ち星はそこまで付いていないが、オールスターに選ばれたことについて
「やっぱり勝ち星はうれしいものですけど、勝ち星に一喜一憂してたら多分、前半戦は乗り切れなかったと思うので。そこは僕の中でもう7年間やってますから、やっぱりいいクオリティーで1試合ずつ投げてくっていうことにフォーカスした結果だと思ってますし。勝ち星つかずとかっていうのはもううんざりなので、ちょっと皆さん気を付けてください(笑い)」
-防御率も3・11。後半戦も変わらず
「もう変わらないですね。33試合、今年は34試合投げるチャンスもあるので、34試合投げると。防御率とかっていうのは上下するので。そこを意識するとね、なんかマウンドに上がるの怖くなったりするじゃないですか、守りに入ると言うか。勝ち星も、いろんな要素もね、自分じゃコントロールできないので。やっぱり僕の中では登板数、そしてイニング数、この増えてくものだけ、足し算していけるものだけは目標にはしてます」
-防御率もそこまで意識しない
「上下するのは、やっぱりそれがあるとどうしてもね、例えば3順目の方が当然どのバッターもアジャストしてくるわけで。じゃあそこに防御率のこと考えてしまうと、怖さが出てきたりとかするじゃないですか。そういうのはね、よくないから。だから僕の中ではもう投球回数だけですね、あと登板数、この2つだけです」
(-質問聞き取れず)
「慣れですかね。慣れと、やはりFAに2度なって、そこでどうやったらチャンスをもらえるかってことを考えた時に、やはり三振の数だったりとか、健康でいることとか、そっちの方がチャンスをもらえる数が増えるし。僕の中では1日でも長く、1年でも長くこのMLBで戦うってことが一番の目標なので。そう考えた時に健康でいることが一番の、この世界で生き残るため、長く生き残るための大事なことかなというところは感じてますので。人それぞれね、何に成功の定義を置くか、勝利条件を置くかっていうのは人それぞれですけど。僕はやっぱり長くやりたいっていう、そこが考えた時には勝ち星っていうのはあんまり気にしないですね」
-今年からエンゼルス。各チームの違いは
「もう顕著にあります。やっぱりそのチームの文化だったりとか、空気だったりとか、全く違いますね。なのでそれぞれにいいところと、そしてエンゼルスは若い選手が多いので、これから強くなっていく、そういう雰囲気もたくさんありますから、非常に楽しみです」
-選手とはどのようにして信頼を築くか
「もうなるべく通訳を介さずに、自分の言葉で英語をトライする。やっぱり日本人で固まってしまうと、なかなか他の選手も気を使って入ってこれないので、なるべく僕の言葉で。当然英語は100%じゃないんですけど、自分の言葉で話すっていうね。なるべく食事に行ったりとか、やっぱりグラウンド外の時間を共にすることで距離が縮まるので、一緒にご飯行ったりとか、カフェに行ったりとか、そういう時間をつくってます」
-34歳になってリカバリーは
「いや、今が一番若いんじゃないですかね。でもな~。なんか焼き肉とか行って、カルビ3枚食べたらもういいですとかにはなってきましたね、最近。そういう時に34歳を感じますね。ミノ、レバー、そういうのになってきますね。そういう時に歳を感じます。あとコーヒーを夜に飲むと寝られないとか、そういうのは皆さんね、経験してると思いますけど、そういう歳ですよ、僕も。野球に関してはもうリカバリーも元気に毎試合行けてるので感じないですけどね」
-ある意味では体が強くなってメンタルに余裕ができるだから
「なんて言うんでしょうね、高みを目指すっていうよりは、遠くまで行くみたいな。そっちの方がメンタル的にも落ち着いて、ゆとりをもってプレーできるので、若い時はこういう角度で行くことは大事だと思いますけど、今どれだけ遠くに行けるかっていう方は意識してますね」
-100マイルよりも10年先
「もう無理ですね、100マイルはね。3年ぐらい前まで目指してましたけど、もう昨日西武の羽田くんが160キロ出したので、もうそこ一番ね、やっぱり日本人で1番先に出したかったんすけど、先を越されたので、もういいですね。球速は諦めました(笑い)」
-すごいと思う選手は
「いっぱいいますよ、怪物だらけなので。いっぱいいますけど、僕はウッド(ナショナルズ)、僕は(ホームランダービーで)優勝すると思ってるんですよね、今日。彼のバッティング練習はビビりましたね。ホームランダービーはちょっとね、体力的な要素も入ってくるので。そこはちょっとどうかわからないですけど、彼のバッティング練習はびっくりしましたね。あとはチームメートになったトラウトとか、非常にさすがだなって思うところはいっぱいあります」
-怪物ぞろいの場所でプレーしていることを客観視することはもうないか
「まだいっぱいジェラスしますよ、全然。やっぱりもっと身長があったらなとか、筋肉量も全然違うし。でもそこに、日本人だから、追いつけないからトレーニングしないとかじゃなくて、追いつけないかもしれないけど追いつこうとするってことの方が大事だと思うので。だから、羨ましいなって思いながらも、トレーニングとかをして、なるべくでも少しでも近づこうっていう努力はしないと。日本人だからトレーニングはいいやとかね、違う方法で戦うっていうのは、ちょっと違うかなとは思ってます」
-ロス五輪の日程が発表された
「家の近所でやると思うので、見に行きたいと思います。近所なのでね、ちょっと息子を連れて」
-WBCについては
「何も言われてない。言われてないというか。オファーをね、いただけたら前向きに考えたいと思いますけど、まだ後半戦残ってますからね。そこに向けて今は集中ですかね」
-羽田は西武の後輩だから気になったか
「両方ですけど。これもちょっと宣伝になっちゃうんですけど、僕の施設に来てくれてたんですよ。ボール見たときに、やべえなと思ったんですね。こんなボール久しぶり見たと思って、本人も160キロを目指してますって言ってたので、すごくウォッチしてたので。やっぱりね、左ってなかなか球速が出ないとかね、昔から言われてましたので、こうやって160の壁っていうのを超えてくれたのは、非常に左ピッチャーにとってもうれしいですね」
-高橋光成もKOH(自身がプロデュースした岩手・花巻の最新設備を備えたトレーニング施設)に。後輩たちのプレーは刺激になるか
「なりますね。やっぱりシーズン中も連絡とったりしますし、もう34なので。僕が若い時に、それこそ石井一久さんとかにかわいがってもらって、いろいろ教えてもらったっていうことを今の後輩たちに伝えていければなと思いますし、僕でよければね」
-カーブを使うようになったり投球の幅が広がっている。まだ広がるか
「難しいんですよね、春先スイーパーを投げたら腕が下がりすぎて。もうそれで4月、5月良くなかったんですよ。オープン戦でいっぱい練習して、その影響で腕が下がって、まっすぐも全然行かなくなってしまって。スイーパーをやめたんですけど、その癖が残ってしまって、アームスロットもかなり下がった状態で4月、5月戦ってて。6月からやっと戻ってきていい状態になってるので、なんかやっぱりいろんな球種を増やすっていうよりは、自分の中の今持ってるものをマスターするっていう方が必要なのかなとは思いますね」
-スイーパーはどの選手も肘を下げて投げている
「下げなきゃ投げられないと思います、基本的にはですね。下げて腕を固めて投げるしかないので。もちろん決まったらバッターは嫌なボールだと思うんですけど、代償もあるし、それをスイーパーの投げ方はスイーパーの投げ方、まっすぐはまっすぐのっていう切り替えができる器用な選手はいいと思うんすけど。僕はそっちの方に釣られてしまってたので、そういう選手には向かないかなと思いますね。やっぱりまっすぐあっての変化球なのね、まっすぐが釣られてきて良くなくなってしまうと、僕の場合はよくない、自分のピッチングじゃなくなるので」
-スイーパーを投げすぎるとチェンジアップもよくなくなる
「ダメです。他の球種が全て腕下がっちゃうと、カーブも結局、逆のことしなきゃいけないので、そういうのを自在にできればね、器用さがあればいいんですけど。僕には合わないですね」
-自身プロデュースのKOHは最新の設備を兼ね備えている。データを生かした野球について考えは
「両方知るべきだと思います。っていうのは、データだけじゃないと思いますし、感覚だけじゃないと思うんですけど。どっちかしか知らないのに、データ野球はこうだよねっていうことはするべきじゃないと思うんですね。データも知ってて、でも感覚も大事にしてて、両方わかってる状態で話をしなきゃいけないので、結構それが意外とできてないというか。結構データアレルギーの人はね、データにこだわりすぎてって言いますけど、そもそもデータをしっかり知ること。知った上で、当然データだけじゃないってこともたくさんありますから、現場の世界では。それはその通りだと思うんですけど、やはりこっちの、例えばピッチングコーチとかバッティングコーチって、感覚も大事にしながら、でも絶対全員のコーチがデータを語れるんですよ。どうやったらスピンを上げられるかとか、どうやったら変化球を曲げられるかとかっていうのをデータでも説明できるし、感覚でも説明できる。どっちもできるんだけど、どっちで説明するかっていうのは、その選手に合わせてやるわけじゃないですか。だから両方できないといけない。そういう時代になってきてると思いますね」
-若い選手にアドバイスを送るとしたら
「そうですね。でもどうやったら球が速くなるかとか、どうやったらボールが遠くに飛ぶかっていうのは、ここ5年、10年でもう出てるわけじゃないですか。それは勉強しない手はないというか、今まで感覚でこうやったら球が速くなるよとかって言ってた世界が5年、10年で全て出ちゃってるわけなので。それはもう勉強するべきだとは思いますけどね」
-前半戦を振り返って
「1年目でやはりチームも変わってっていう中で、前半戦いい形で終われたし。チームもまだまだポストシーズンを狙えるチャンスがある場所にいるので、後半戦も楽しみですね」
-チームの状態は
「中継ぎ陣もそうですし、バッターもケガ人が帰ってきて、中継ぎもみんな今調子がいいし、しっかりと僕らが試合を作ればチャンスが増えると思うので、チームは本当にいい状態だと思います」
-エンゼルスのエースとしてこの舞台に戻って来たこと(斎藤隆氏から)
「(移籍)1年目で成績を出すっていうのはやっぱり大事にしてきましたので。まだ前半戦ですけれども、いい形で戦えてるっていうのは少しほっとしてます」
-昨年と今年で変わったことは(同)
「昨年ヒューストンに行ってから、チェンジアップの割合とかバックドアのスライダーの割合を増やしてましたので。今年もそれを引き続き、特にチェンジアップの割合が最近増えてるので、非常にそこらへんが変わったところですね」
-後半戦に向けて変えるところ、継続していくところは(同)
「後半はやはり各チーム同じディビジョンと3~4回当たるので、やはり変えなきゃいけないところとか出てくると思いますね。それは今ははっきりは言えないんですけど、おそらくバッターも慣れてくると思いますし。そこはうまく対応しながら、疲れとうまく会話もしながら、自分の体もベストな状態に戻していきたいなと思ってます」
-このシーズンを終えるために一番大事なこと(同)
「いかに疲労を取るか。毎試合毎試合、疲労を取る。それは体もそうですし、メンタル的にも夏場はしんどいので、そこをこうまく切り替えながら乗り越えたいなと思います」
-オールスター戦で登板はない。試合を見る人に注目ポイントは
「やっぱり合計4チームでプレーしてきましたので、いろんな選手と再開できてるっていうのは非常に僕の中ではうれしくて。彼らと話をしながら、クラバウスで話をしたりとかするのは非常に楽しみですね。やはり体が大きいなって思います。そこはテレビじゃなかなか映り切らないかもしれないんですけど、本当にジャッジとかチャップマンとか、体が2倍も3倍も大きいみたいな感じなんで、そこら辺は僕も驚いてます」



