【ニューヨーク19日(日本時間20日)=千葉修宏】ヤンキースのマイク・ムシーナ投手(39)が今季限りで引退する可能性が高まった。複数の米メディアが、同投手が引退を決意したと報じた。今季、自身初の20勝(9敗、防御率3・37)をマーク。最高の1年を現役生活の区切りにする。

 通算270勝、153敗、防御率3・68。92年から17年連続2けた勝利をマークし、球宴選出は5度。今年は7度目のゴールドグラブに選ばれた。すでにジラルディ監督やキャッシュマンGMには、家族との時間を大切にしたいという思いを伝えており、ここまで球団も事態を静観していた。

 ツメではじくように投げる「ナックルカーブ」が特長だが、最大の武器は名門スタンフォード大卒らしい頭脳的投球。今年は特にリーグ優勝したレイズ戦で3勝1敗、防御率3・47とさえた。

 中でも岩村に対してはナックルカーブの連投など、大胆な投球で9打数無安打。ここ2年間でも14打数ヒットなしと完ぺきに封じている。「彼が素晴らしい打者なのは分かっているから、リズムを変えないとダメなんだ」。これが歴代の監督たちから「ムースはピッチングを知っている」と言われたゆえんだろう。