オリックス朴賛浩投手(37=パイレーツ)が「脱メジャー」を宣言した。宮古島キャンプ休日の4日は若手に交じって、ランニングやキャッチボールで調整。その姿を取材した報道陣に異例のお願いをした。

 「皆さんは私が朴賛浩だから来ているのですか。そうではなくオリックスの朴賛浩として取材されることを私は望んでいます」。

 アジア人最多メジャー124勝を挙げた英雄としての「特別待遇」を嫌い、オリックスの一選手として接してほしいと、小雨に打たれながら10分間の“演説”を行った。もっとも、休日返上はオフのないメジャーなら当たり前で、こちらはメジャー流を通した格好だった。

 「ゲームで(相手を)抑えることはコントロールできないが、準備することはコントロールできる。年俸が上がれば上がるほど責任は増える。責任を果たすため準備をするのです」。

 宮古島キャンプでは自分から新しい仲間に声をかけ、球種の情報も積極的にオープンにしている。日本文化だけでなく、日本球界についても勉強熱心。町歩きが趣味で、日本各地の地図を持つ木佐貫をつかまえ、地図を広げて他球団のキャンプ地を細かく教えてもらった。「メジャーリーガーとして日本で成功するのではなく、日本の文化に慣れる努力をし、日本で成功したい」。キャンプ初日に朴が口にした言葉に偽りはないようだ。