大リーグで通算119勝を挙げた65歳の左腕ビル・リーが23日、自ら持つ米国プロ野球選手の最年長勝利記録を更新した。契約した米独立リーグ・サンラファエルの本拠地で、吉田えり投手が所属するマウイ戦に先発。8安打4失点で、なんと完投勝利を挙げた。同リーグ・ブロックトンに在籍した63歳時に勝利した記録を、2年ぶりに塗り替える快挙だった。

 大リーグでは69~82年までプレー。レッドソックス在籍時は左腕として球団史上最多の321試合に登板し、3年連続17勝を挙げるなど活躍した。還暦を越え、すっかり白髪のサウスポー。70マイル(約113キロ)前後の遅い球でも、緩急と投球術で20代の打者を幻惑した。ベースカバーに走った際に疲れて両膝に手をつくような場面もあったが、気力を振り絞り、無四球で94球を投げきった。

 試合終了後は思わずグラウンドにキス。満員でうまった1265人の観客から鳴りやまないカーテンコールを浴び「最高の機会を与えてもらった。今日はカーブが良かったよ」と興奮で顔を紅潮させた。独立リーグには50歳クレメンスが現役復帰して驚かせたばかりだが、上には上がいる。