オールスター登板が今年も消滅した。レンジャーズは10日(日本時間11日)、ダルビッシュ有投手(26)が首の付け根から背中に広がる右僧帽筋の張りのため、15日間の故障者リスト(DL)に入ると発表した。メジャー2年目で初のDL入りとなり、復帰は最短で22日(同23日)のヤンキース戦から。症状は幸いにも軽いというが、選手間投票で選出された16日(同17日)のオールスター戦には出場できず、2年続けてベンチで夢舞台を観戦することになった。

 ダルビッシュがまさかのアクシデントで離脱を強いられた。「異変」はオリオールズ戦前の全体練習からみられ、左投げでしかキャッチボールを行わなかった。先発を翌日に控えた調整法としては珍しく、首をかしげる報道陣に対し、球団からDL入りが発表された。8日の投球練習後に本人から申し出があり、回復を待ったが状態が戻らなかったという。

 張りを訴えた僧帽筋は肩の裏側付近に位置し、昨年はレッドソックス松坂(現インディアンス3A)も痛めてDL入りの原因となった箇所。松坂は復帰に7週間以上を要したが、レバインGM補佐は「重症ではない。先発とオールスター戦を飛ばすだけで、その方が彼のためだし、しっかりと後半戦にも臨める」と軽症を強調した。5月中旬から約1カ月半も勝てない時期があり、ここまで1試合の平均投球数109・5球はリーグ1位の多さ。同GM補佐は張りの原因とみられる「勤続疲労」との関連性については否定し、疲れの影響が出てきたのは最近のことだとした。

 ダルビッシュは11日にテキサスに戻り、チームドクターの精密検査を受ける。1年目の昨季は先発を飛ばしたことはあっても、DL入りはなかった。この日は球団を通じて「大ごととは考えていない。大事を取った意味が強く、先発を1度飛ばした方がいいと思った」とコメントした。

 ただファンにとって残念なのは、またもオールスターでの勇姿が見られなくなったこと。昨季は予備要員の意味合いが強い「最後の1人」枠による選出で登板機会がなく、中4日で臨めた今年は両リーグ1位の157奪三振という実績もあり、ア・リーグ先発の有力候補に挙がっていた。球宴の会場には足を運ぶが、ベンチで観戦だけとなる。4日には「ケガがなくここまできているのでいいこと」と手応えを口にしていただけに、うれしくない「球宴休み」になってしまった。<ダルビッシュの故障歴>

 ▼右わき腹

 東北2年で出場したセンバツの開会式後、ファンに引っ張られ、右わき腹を痛めた。

 ▼右すね

 同2年夏の甲子園準々決勝後に右すねに痛みを訴え、過労性骨膜炎と診断された。

 ▼右ひざ

 日本ハムに入団した05年1月、右ひざ関節炎で新人合同自主トレ初日にリタイア。同年の秋季キャンプは「右ひざ関節軟骨の軽い損傷」で再離脱。

 ▼右肩

 06年6月、右肩の違和感で登録抹消。

 ▼体調不良

 09年8月、右肩内出血の影響および発熱などのコンディション不良により登録抹消。

 ▼左臀部(でんぶ)

 09年9月、左臀部痛で登録抹消。

 ▼右手

 09年11月、右手人さし指の疲労骨折と診断される。骨折したまま、同年の日本シリーズ第2戦で先発、勝利投手になっていた。

 ▼首

 レンジャーズ1年目の12年9月、首痛で優勝争いをしていたアスレチックス戦の先発を回避。<ダルビッシュ今後と経過>6日

 選手間投票で球宴選出8日

 練習後に違和感伝える10日

 故障者リスト入り発表11日

 オリオールズ戦を回避、テキサスで精密検査へ16日

 オールスター登板回避22日

 最短復帰はヤンキース戦