初めての開幕投手を前に、西武高橋光成投手（24）は、長い髪をなびかせながら言った。「前回良かったんでその流れを続けていこうかなと。ずっと髪を伸ばし続けられるようにしっかりといい投球をして、髪も残していきたい」と、験担ぎに髪を伸ばすことを宣言。キャンプから続け、すでにうなじを完全に隠すほど伸びたが肩に手をやり「ここ（肩）までいきたい」と好投を願い切らずに臨む。
勝負は寝る前から始まっている。昨季途中から取り入れた、寝る前の1杯のビール。同僚の平井が社会人時代から取り入れた“儀式”を聞き「お、いいな」と導入。「それやってからいい投球ができるようになって、そこからやっていこうと。前日って構えちゃうじゃないですか。それが何かビール1杯飲んでリラックス。今日帰りに自分で買って帰ります」。昨季10月以降は6戦3勝無敗。試合前夜の勝利の美酒をルーティンに開幕マウンドに上がる。
春季キャンプ最終日、開幕投手に指名されてから準備は続けてきた。周囲にいる開幕投手経験者、西口投手コーチ、吉川に相談。そして元西武のマリナーズ菊池にも連絡し「143分の1だからそんなに緊張することもなく、シーズン終わったら忘れちゃうことだから楽しんで」と助言を受けた。「しっかり先頭打者を丁寧に投げたい」と、落ち着いたマウンドさばきをイメージした。
昨季チーム勝ち頭の8勝を挙げ、一昨年は2ケタ勝利。対するオリックス山本と投げ合いに「日本を代表するような投手、学べることも多いと思う。明日は何とか粘り強く頑張りたい」と気持ちを高ぶらせた。
