<日本ハム4-2オリックス>◇9日◇札幌ドーム
日本ハム木田優夫投手(41)がお立ち台で、打のヒーロー小谷野を力強くハグした。先発して5回を3安打1失点に抑えたが、「5回しか投げていないのに、何でここにいるのか分からない」。おとぼけインタビューで笑い誘う、エンターテイナーぶりまで発揮し、最後まで主役を務めた。
故障者続出の緊急事態を、救った。糸数、増井ら若手が故障離脱。有事に備えて先発要員として2軍で調整し、この日昇格すると大役が巡ってきた。酷暑で知られる2軍本拠地の鎌ケ谷で、お呼びがかかるのを待つ日々から解放され、「暑かったんで。かき氷ばっかり食べてました」。3年ぶりという丸刈り頭で今季2度目の先発マウンドを守り抜き、巨人時代の90年以来、20年ぶりの開幕3連勝を飾った。
「トシをとると、いろいろなことをやっていかないといけない」。全80球の内訳は大半がフォーク。直球を微妙に動かし、すべて変化球のような投球スタイルで主導権を渡さない。試合前、2軍からの報告が「大して良くない。5回完全試合でいい」とジョーク交じりに話していた梨田監督は、真顔で「苦しい時の木田頼みだよ」と、感謝した。
昨オフに戦力外通告を受け、年俸1000万円でスタートした再出発の1年。開幕から低迷した直後には、ブルペン内にある暗幕を独断で取り除いたという。「こういう黒い物があるからいけない」と、“模様替え”してまで勝利に執着する姿に、若手たちは感銘を受けたという。10日に出場選手登録を抹消され再び、先発要員として待機する。テレビでは数え年の42歳と連呼されていたが「まだ41歳10カ月なんで。よろしくお願いします」。最後は爆笑で会心の一夜を締めくくった。【高山通史】
[2010年7月10日8時10分
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