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中田初フリー打撃、恐怖の弾丸ライナー
- プロ入り初のフリー打撃に汗を流す中田(撮影・黒川智章)
怪物はやはりすごかった。日本ハムの高校生ドラフト1巡目、中田翔内野手(18=大阪桐蔭)が20日、千葉・鎌ケ谷で行われている新人合同自主トレで、初めて打撃投手相手のフリー打撃。はじかれた打球が、次から次へと約30メートル先のネットにたたきつけられる。「けっこういい感じで振れました。自分でもびっくりするくらいよかった」。
合同自主トレで、マシンではなく初めて生身の人間が投じる球と向き合った。約2カ月ぶりのフリー打撃。結果は22スイング中15本が弾丸ライナーで、矢野打撃投手も「スイングもヘッドスピードも速い。日本人離れしている」と驚いた。
ネット越しに見ていた水上2軍監督は「野手は気が抜けないね。投手も危ないよ。すごいよ、すごい」と、弾丸ライナーの恐怖に至近距離でさらされる、野手を心配した。通常の打者よりも「インパクトが長い。バットとボールがくっついている感じ」のため、向かってくる打球への動き出しが遅れるのだという。
過去に1度、あわやがあった。高校2年の秋季近畿大会、160メートル弾を含む2本の本塁打を放った準決勝の市川戦。中前打を放った際、相手投手の顔のわずか数センチ横に鋭い打球を飛ばした。「ボールが通ってから避けているんですもん。『やば、殺してもうた!』と思いましたよ。あれは1番焦った」と振り返った。
もちろんずばぬけた打球の速さは、強打者であることの何よりの証明となる。「今日は90点。木のバットは詰まったら飛ばないし、それを減らしていかないと」。常識を超えた大物ルーキーが、各球団のエース“キラー”となる。【本間翼】
[2008年1月21日9時24分 紙面から]
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