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2010年10月18日

国学大の153キロ右腕村松は社会人野球へ

国学院大の153キロ右腕・村松投手

 斎藤世代は大豊作と言われてきたが、伸び悩んだり、けがに泣かされる選手も目立つ。現在東都大学リーグで優勝争い中の国学大。153キロ右腕もその1人だ。

 国学大・鳥山泰孝監督は開幕前、投手陣について順番に高木京介投手(3年=星稜)、埜口卓哉投手(4年=つくば秀英)、鷲尾拓也投手(3年=能代)、畠山翔平投手(3年=能代)、奥村和久投手(4年=旭川大高)の名前を挙げていた。

 「あとは眠っている戦力をチェックしてからですね。たくさんいると思うんですよ。大事なのは、いかに結果を出せそうなシーンで使ってあげられるか。使いどころ、タイミングを僕が見極められるか」。

 鳥山監督の目に留まったのが阿部拓也投手(3年=日大東北)。国士大戦で先発し初勝利。これがリーグ戦2試合目の登板だった。亜大戦でもロングリリーフで2勝目を挙げている。早速新監督の起用に応えている。チームは18日現在2位と優勝争い真っ只中だ。

 だが、あの投手の登板がまだない。村松伸哉投手(4年=光星学院)だ。1年春の開幕戦で153キロ(当時東都史上最速)をマークし、早大・斎藤佑樹投手(4年=早実)と一緒に日米大学野球で日の丸を背負った。

 翌秋から歯車が狂い始める。開幕カードの東洋大戦。村松は1回戦に続き3回戦でも先発を務める。1点ビハインドで迎えた9回、空振りか死球か際どいプレーを、死球と判定されてしまい興奮。グラブを叩きつけ、球審に歩み寄った。夕方の薄暗い神宮球場。不気味な雰囲気のなかで、村松は感情をむき出しにした。そして2死後、2ランを浴びて試合後には涙を流していた。この試合を境に、190センチの村松が、立ち振る舞いもハートのサイズも小さくなってしまった。(なお球審には謝罪している)

 かつてのチームメートらの話によると、「自分でもよくわからないうちに、あんなに速いボールを投げていた」と打ち明けている。「かなり悩んでいて、迷路にはまっているみたいだ」という人もいる。高校時代は2番手投手。大学に入り、体重が10キロ近く増えて体型も変わった。153キロが出たときも「何で速くなったかは僕もわからない」と目をきょろきょろさせていた。

 昨年報道陣から村松について聞かれた指揮官は、こんな話をしている。「伝達係として頑張っていますよ。彼のおかげでベンチとブルペンの伝達がスムーズになっている」。具体的な調子には触れなかった。

 今年8月、再び竹田元監督に村松の状態を尋ねる。

 「そうだねえ…。こっち(ハート)が、あともうちょっとだね」。

 普段は穏やかで家族思いの村松。社会人でも野球を続ける予定だ。少しでも早く、眠りから目覚めてほしい。【矢島彩】

※村松投手はプロ志望届を提出していません。

ドラフト2010
小関順二(こせき・じゅんじ)
 1952年生まれ、神奈川県出身。日大芸術学部卒。会社勤めのかたわら「ドラフト会議倶楽部」を主宰。本番のドラフト会議直前に「模擬ドラフト会議」を開催し注目される。その後スポーツライターに転身。アマチュア野球を中心に年間200試合以上を生観戦。右手にペン、左手にストップウォッチを持って選手の動きに目を光らせる。著書に「プロ野球問題だらけの12球団」ほか多数。家族は夫人と1女。
矢島彩(やじま・あや)
 1984年生まれ、神奈川県出身。5歳くらいから野球に夢中になり、高校時代にアマチュア野球中心に本格観戦を開始。北海道から沖縄まで飛び回り、年間150試合を観る。大学卒業後フリーライターに。雑誌「アマチュア野球」(日刊スポーツ出版社)などに執筆中。好きな食べ物は広島風お好み焼きと焼き鳥(ただしお酒は飲めません)。趣味は水泳。
福田豊(ふくだ・ゆたか)
 1962年生まれ、静岡県出身。85年日刊スポーツ新聞社入社。野球記者を11年。巨人、西武、日本ハム、アマ野球、連盟などを担当。野球デスクを7年勤めた後、2年間の北海道日刊スポーツ出向などを経て、現在は毎朝6時半出社で「ニッカンスポーツ・コム」の編集を担当。取材で世話になった伝説のスカウト、木庭教(きにわ・さとし)さん(故人)を野球の師と仰ぐ。「ふくださん」の名前でツイート中。

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