日本ハムのドラフト1位斎藤佑樹投手(22=早大)が27日、ともに06年夏の甲子園を沸かせた楽天の田中将大投手(22)とプロのユニホーム姿で初対面した。ダルビッシュ有投手(24)のエスコートもあり、オープン戦の試合前に実現した。公の場では06年の国体決勝以来1607日ぶりの再会になる。すでに実績を積み重ねている田中に対し、これまでは慎重な発言に終始していた斎藤が「負けたくない」と珍しく、ライバル心をあらわにした。

 4年前、別々の道を歩んだ斎藤と田中がプロ野球という舞台で再会した。斎藤はダルビッシュに連れられ、まずは楽天星野監督にあいさつ。次に、右翼ポール際まで行き、センター付近まで外野フェンス沿いをダッシュし始めた。外野にいた楽天投手陣がキャッチボールを終えようとするのを見計らうように走り終えると、肩を温め終えた田中とバックスクリーン前での対面が実現した。

 06年の国体以来、公の場での接触は約2分間。斎藤は田中に両手を差し出し、笑顔で握手を交わした。斎藤が田中の使っていた銀色のグラブを指さすなどして話していると、ダルビッシュが不意に輪から離れ、約1分間のツーショットが実現した。「基本的に近況報告です。自分がやっとプロに来られたと思うので、いよいよだなという感じです」。わずかな時間だったが、あらためてプロを実感をした。

 プロの投手としてのプライドだった。昨年12月9日の入団会見で斎藤は、プロで通算46勝をマークしている田中について「追いつけるように頑張りたいです」と話した。それから2カ月半。1カ月のキャンプをこなし、前日26日の初のオープン戦(ロッテ戦)で直球への自信を深めた直後の対面。「早くそのレベルにいきたいです。本当に同世代で頑張っている人が多いし、今年は特にいいピッチャーが多い。負けないようにしたいです」。内に秘めていた田中に対するライバル心を言葉にしてみせた。

 昨年末に06年の全日本高校選抜の集まりで会っていた2人だが、この日初めてプロのユニホーム姿で対面した。再会を仲介したのはダルビッシュ。田中は「お互い元気でシーズン中も会えたらいいですね」とプロの先輩として大人の発言をし、斎藤も「けがしないでやっていくのが一番ですから」と応じたという。だが、一部始終を見ていたダルビッシュからは「(2人の会話は)ギクシャクしていましたね。(田中は)迫力を出してる風ですけど、まだ全然」と冗談めかして暴露されてしまった。

 試合前は、両チームの監督同士でも2人の話題になった。「日程的なものもあるけど機会があればよろしく、という話をしました。夢の続きを野球界でもやってくれると信じている」と梨田監督。斎藤が開幕1軍を勝ち取れば、対決が実現する可能性は高い。

 斎藤は楽天とのオープン戦後、東京へ移動した。「(田中の)1年目の活躍から参考になる部分もあるし、早くそのレベルにいきたいです」。良きライバルになるため、開幕ローテ入りへの競争が始まる。

 [2011年2月28日9時19分

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