プロボクシングWBO世界バンタム級王者ジョンリール・カシメロ(32=フィリピン)が王座剥奪されたことが3日(日本時間4日)、発表された。

同日までにWBO世界選手権委員会が全会一致で決定したもの。これで暫定王者となっていたポール・バトラー(33=英国)が正規王者に昇格し、カシメロは同級1位に降格となった。カシメロはWBAスーパー、IBF世界同級王者井上尚弥(大橋)の対抗王者だった。

カシメロは先月22日、英リバプールで同級1位だったバトラーとの防衛戦を控えていたが、サウナ使用による医療ガイドライン違反で英国ボクシング管理委員会から試合出場不可とされる「失態」で試合欠場。WBOから違反に至った「原因を示す」よう求められていた。昨年12月にもバトラーとの防衛戦の計量直前に胃腸炎を理由に緊急入院、そして今回は医療ガイドライン違反と不手際を続けていた。

カシメロ陣営は16年で英国で戦った際に「ボクシングの一般的な減量方法」としてサウナを使用した事情を説明し、英国ボクシング管理委員会の医療ガイドラインの知識不足だったと弁明。また同管理委員会からサウナを禁止する通知も受け取っていなかったと説明していたが、その主張は認められなかった。

WBO世界選手権委員会は、カシメロが19年11月に当時の王者ゾラニ・テテ(南アフリカ)から王座奪取して以降、1度も指名試合をしてこなかったことに加え、21年9月からバトラーとの指名試合を指令しながら、2度も中止にした行動を重く見たとみられる。

なおカシメロ陣営には14日以内にWBO側に書面を通じて異議を申し立てることが可能で、書類が提出されればWBO苦情処理委員会で議論されるという。