日本相撲協会は30日、夏場所(5月13日初日、両国国技館)の新番付を発表し、39歳6カ月の安美錦(伊勢ケ浜)が史上最年長での再入幕を決めた。

 先場所は東十両2枚目で8勝7敗。今場所の番付について「驚きましたね」とは言ったものの、周囲の星取を見れば再入幕は妥当なところ。「落ちて上がれば(記録は)ついてくる。よかったんじゃないですか」と話した。昨年11月の九州場所で再入幕を果たした時も最年長記録となっており、もともと目指しているのは幕内で相撲を取り続けることだ。

 今場所で幕内在位は97場所目。高見山と並んで史上3位タイにつけた(1位は魁皇の107場所、2位は旭天鵬の99場所)。この記録については「もっと早く過ぎているかと思った。ケガで(十両に)落ちていたから。幕内で少しずつ伸ばせるのはうれしい」とも言った。

 ケガとの闘いは終わらない。5日の兵庫・姫路市での巡業の稽古中に右膝を痛め、離脱した。「ケガをして駄目になっても、家族が支えてくれる。家族の支えがあってやれていることに感謝しています」と話す。今もケガの状態は万全でないが、痛みと付き合いながら稽古していくしかない。

 「幕に上がったので、その日の一番一番をしっかりやるだけ。土俵に上がれることに感謝しながらやりますよ」。満身創痍(そうい)ながらも、気力はまだまだ衰えていない。【佐々木一郎】