長引くコロナ禍は、大学などの授業や「就活」にも大きな影響を与えている。オンラインによる授業が増える中、そこに潜む問題が就職を控える学生の不安を増長させているという。人事採用コンサルタントで駒大経済学部非常勤講師の川村稔氏(59)に現状について話を聞いた。

場所や時間を選ばず、自分のペースで勉強ができるオンライン授業。しかし課題やリポートの提出が多く、「人に会えない」「友人を作る機会が少ない」など、対人関係で不安を抱える学生が目立つようになった。川村氏は過去の履修生からも就職相談を受け付けているが、一様に不安な表情で語る姿が印象的だという。「他の学生の動向が分からない、ネット情報に翻弄(ほんろう)される、などの声が多いですね。オンラインでも構わないので人と会話をする機会を増やしてほしいです」と、アドバイスを送る。

一方、雇用側からは「従来型の選考システムでは対応できない」という相談が寄せられている。学生のコミュニケーション能力の低下は否めない。川村氏は、「新しい社会、職場環境への適応力を前提にした人材像の構築と、それに合わせた採用や育成のシステムを再検討する時期となりました」と分析している。

川村氏は、自身のHPで学生、雇用側双方の相談に応じている。詳細は、https://kawamura-saiyou.com/から。

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