世田谷西が大会史上3チーム目の3連覇を成し遂げた。今年春の全国選抜大会も制しており、日本リトルシニア協会史上初の春夏連覇と夏春夏連覇を同時達成した。酷暑の大会で、どのチームもたくましくプレーした。汗まみれのスコアブックから、印象的な選手を紹介する。【久我悟】
▶準決勝
世田谷西7―6浦安
【サイン盗みの誤解を解きたい】
浦安が優勝した2000年(平12)以来の4強入り。エース皆川将大(3年)は準決勝をサヨナラ負けすると、涙をぬぐう間もなく世田谷西ベンチを訪れ、吉田監督に謝罪した。7回表の攻撃中、同点二塁打を放った。二塁ベース上から、一塁コーチに「二塁手の動きを教えて」と身ぶりで伝えたところ、守備陣からサイン盗みを疑われた。騒然とする相手応援席に、味方応援席も騒ぎだした。
プレーは続行し、サヨナラ負けは一塁の守備位置で迎えた。「とんでもないことになったと思ったし、なんとしても誤解は解きたかったので、紛らわしくてすいませんでしたと」と相手ベンチに歩み寄った。吉田監督も試合中すでに「相手を悪く言うのはやめなさい」と応援席に指示したように、皆川の行動を笑顔で受け入れた。皆川は「選手や応援、保護者のみなさんには伝わって欲しいです」。
【ヒットを打たれても攻めの投球】
勇気ある投球だった。強力打線相手に5回8安打で5失点したが、次々ストライクゾーンで勝負して2四死球。攻めの投球が、味方の反撃を呼び起こした。
2回戦の中野戦(信越連盟)は6回10安打無四球で3失点。大会前、U―15侍ジャパンの選考会に参加して14キロを計測。力が入りすぎてフォームを崩し、救援登板の1回戦も不調だった。しかし、「自分が1球でも多く投げなくては」と球速よりも、ストライク先行を意識した。打たれても逃げない投球が生んだ快進撃。敵も味方も関係ない、すがすがしさを残したことも、伝えたい。
【柏木のノーバン送球で幕切れ】
浦安は2回戦の中野とも最終回に劇的な場面を演じていた。7回表に1点差に迫られて2死二塁、中野の5番・富澤鉄誠(3年)が中前にはじき返すと柏木仁祐(3年)がセンターからノーバウンド送球して二塁走者をタッチアウト。「1人でバックホームは練習してきましたが、絶対勝つって力が入りすぎて、ノーバウンドになりました」。柏木は準決勝の世田谷西戦もフェンス際から前進まで、広い守備範囲で4強に貢献した。
【関東連盟勢の結果】※( )は連盟
▼1回戦
世田谷西7―0北摂(関西)
佐倉6―2東北福祉仙台北(東北)
中本牧4―3熊本東(九州)
浦安10―3白山(東海)
東練馬11―10山口東(関西)
秦野8―4北空知深川(北海道)
取手8―4徳島藍住(関西)
静岡裾野7―0宮崎(九州)
調布10―0新潟江南(信越)
青森山田(東北)10―8木更津
豊田(東海)7―0東久留米
神戸中央(関西)7―3武蔵府中
▶2回戦
橿原磯城(関西)12―2調布
東北楽天(東北)6―5中本牧
浦安5―4中野(信越)
世田谷西3―0佐倉
秦野8―2東練馬
静岡裾野11―1取手
▶準々決勝
世田谷西7―2東北楽天
橿原磯城8―0静岡裾野
浦安5―3秦野

