日刊スポーツのニュースサイト、ニッカンスポーツ・コムです。


ここからこのサイトのナビゲーションです




評論家

秋田豊

秋田豊(あきた・ゆたか)

1970年8月6日、名古屋市生まれ。愛知高―愛知学院大を経て93年鹿島入り。4回のリーグ優勝などに貢献。98、02年W杯日本代表。名古屋、京都を経て07年に引退。10年7月に京都の監督に就任。J1通算391出場、23得点。

日本突破へ 初戦で決めろ


 大きな運が向いてきた―。14年W杯ブラジル大会の相手が決まり、秋田豊塾長(43)が1次リーグの日本代表を占った。名前負けしない国との組み合わせとなったことで精神的な負担が減り、決勝トーナメントをにらんだ戦いができると指摘。期待を込めて史上最高成績を予想した。

 日本は抽選に恵まれた。いずれも手ごわい相手ではあるが、第1シードのコロンビアも、欧州代表のギリシャも、初戦の相手コートジボワールも、やれない相手ではない。日本が、自分たちの力を出し切れば、互角に戦える相手だ。

 今までは1次リーグの相手に、歴史も実績も実力もある国が必ず入っていた。主催国で第1シードだった02年をのぞけば、98年はアルゼンチン、06年はブラジル、10年はオランダと、いずれも優勝候補と同組だった。1次リーグは3試合しかないわけだから、名前負けするようなチームと同じ組になると、選手たちの精神的な負担が大きく、残る2戦へのプレッシャーはさらに増えてしまう。

 この組み合わせなら、心理的な負担が大きくないため、さらに上を想定した戦いができる。過去の日本は1次リーグにピークを合わせ、それを突破することに全精力を注いだ。しかし、この相手なら100%以上の力を絞り出すより、決勝トーナメントを考慮して普段通りの100%の力でいいと思う。ピークは16強、8強に合わせられるのではないだろうか。

 最も大事なのは初戦だ。初戦は3分の1の試合ではない。残る試合の負担を考えると、5割以上の比重がある。コートジボワールとの対戦で最も注意すべき点は、FWドログバに名前負けしないことだ。今季、彼が所属しているガラタサライの欧州CL戦をほとんど見ているが、彼は2、3年前より確実に力が落ちている。以前は、1人で強引に得点できたが、最近はラストパスを選択することが多い。自分自身も力の衰えを感じているのだろう。ドログバに名前負けして2人以上でマークし、他の選手をフリーにするとやられる可能性もある。

 日本の力は着実に伸びてきている。組み合わせを含め、今大会は歴代最高の結果を残す大きなチャンスだ。選手それぞれが、残り半年でさらに実力を磨いていけば、日本サッカー史に大きな足跡を残せるだろう。(日刊スポーツ評論家)

















ここからフッターナビゲーションです


PAGE TOP