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紙面企画

W杯のツボ

W杯のツボ

試合のプレー、珍プレーなどの出来事を掘り下げて検証する企画。南アフリカW杯の「スーパープレー、お宝発掘」をリニューアルし、スーパープ レーや勝負のあやに迫ります。

オランダ伝統捨てた5バックでリベンジ


<W杯:スペイン1-5オランダ>◇1次リーグB組◇13日◇サルバドル

 前回王者スペインが1次リーグB組初戦でまさかの大敗を喫した。10年南アフリカ大会決勝でも対戦したオランダに1-5で敗れた。ボール保持率は上回ったが、リズミカルにパスをつなぐ「ティキ・タカ」が影を潜め、大事な場面でボールを失って失点した。オランダは初戦のために準備した5バックの激しい守備とカウンター攻撃で、前回大会のリベンジを果たした。

 08年欧州選手権、前回W杯、12年欧州選手権とメジャー大会を3連覇し、一時代を築いたスペインサッカーが、音を立てて崩れ落ちた。前半27分にシャビアロンソのPKで先制したが、その後は相手の厳しい守備にタジタジ。簡単にボールを失い、反撃を許した。

 前半終了間際に同点とされると、後半は完全に相手ペース。2点を追う27分にGKカシリャスのトラップミスから失点し、35分には鮮やかなカウンターを決められた。デルボスケ監督は「相手が素晴らしいパフォーマンスを見せ、我々の出来も良くなかった。オランダを祝福したい」と平静を装ったが、事態は深刻だ。

 ボールをキープし、リズミカルにパスをつないで攻撃するスペインの代名詞「ティキ・タカ」が通用しなくなっている。この日のボール保持率57%は、オランダを下して初優勝した南ア大会決勝とほぼ同じ。だがピッチの部分別に見ると内容が違う。前回はピッチ中央で26%、相手ゴール前で9%だった保持率が、今回は中央で36%、相手ゴール前ではわずか4%。球を前線に運べず、危険なエリアでプレーできていない。

 代表の戦術の元となったバルセロナも、今季欧州チャンピオンズリーグ準々決勝でAマドリードに敗れ、バルサ・グラルディオラ元監督率いるBミュンヘンは、準決勝でRマドリードに2戦合計0-5と大敗した。いずれも相手は堅守速攻を得意とするチーム。戦術のトレンドが移行しているのは明白だ。

 4年前は初戦でスイスに敗れた後、頂点まで上り詰めた。だがスペインは世界中の国から研究され、主力は軒並み高齢化。デルボスケ監督は「4年前と比べるつもりはないが、同じ経験はしている。失ったのは勝ち点3に変わりない」と強がったが、同じことが起きるか疑問の声は多い。

 ◆前回王者02年以来の黒星 前回大会王者が初戦で黒星は、02年大会でセネガルに0―1で敗れたフランス以来。5失点を喫するのは初めて。前回優勝国の初戦は82年大会以降に限れば、3勝2分け4敗と苦戦。また、スペインがW杯で5失点以上は、50年大会の決勝リーグでブラジルに1―6で敗れて以来、64年ぶり2度目。スペインは初戦が苦手で通算4勝3分け7敗と負け越し。前回大会も黒星発進だった。

















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