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紙面企画

W杯のツボ

W杯のツボ

試合のプレー、珍プレーなどの出来事を掘り下げて検証する企画。南アフリカW杯の「スーパープレー、お宝発掘」をリニューアルし、スーパープ レーや勝負のあやに迫ります。

完敗ブラジル セレソン体格とパワー重視育成のツケ


<W杯:ブラジル0-3オランダ>◇3位決定戦◇12日◇ブラジリア

 ブラジルが再び厳しい現実を突き付けられた。3位決定戦でオランダに完敗。1-7と大敗した準決勝・ドイツ戦に続き、ふがいない戦いぶりを露呈。聞こえてくるのは「ブラジルの代名詞だった創造性あふれる選手たちはどこへ行った?」の声。今大会もあっと驚くプレーを見せてくれたのは腰椎骨折で離脱したFWネイマール(22=バルセロナ)だけだった。ファンタジスタの一大供給源だったブラジル衰退の理由を検証する。

 王国ブラジルが無残に散った。開始3分で出場停止明けのDFチアゴシウバ主将(29=パリサンジェルマン)がロッベンを手で引っ掛けてPKを献上。これを決められると、17分にもDFダビドルイス(27=チェルシー)の頭でのクリアが甘くなり、ブリントのゴールを許した。ユニホーム姿でベンチ入りしたネイマールが見守る中、頼れる存在だったはずのセンターバックコンビのミスで連続失点。もう追いつく気力は残されていなかった。

 スコラリ監督は試合後「我々は良いプレーをした。でも相手がさらに良かった」と分析したが、準決勝のドイツ戦から2戦10失点と散々な内容での敗退。ロナウジーニョやカカといった天才肌を外し、前線にターゲットマンを配置する同監督の退屈な人選以上に、王国が抱える問題は根深い。

 最も批判の声が集まっているのが選手育成システム。かつてブラジル代表で黄金の中盤を形成し、日本代表監督も務めたジーコ氏は2年前「子供の頃の私が今、入団テストを受けたら受からないだろう。小柄で痩せっぽちだったから」と発言。以来、ユース年代から体格やパワーを重視する、ブラジル国内クラブの欧州化を危惧してきた。

 トヨタ杯やクラブW杯を見るまでもなく、ブラジルをブラジルたらしめ、欧州に劣らぬ存在にしているのは、その創造性。優勝した02年W杯ではロナウド、ロナウジーニョ、リバウドの「3R」がファンを魅了。一方、今大会でファンタジスタ(ひらめきあるプレーで観客を魅了するスター)と呼べるのはネイマールだけとなった。バロンドールも07年にカカ(現サンパウロ)が受賞して以来、同賞の上位3人に1人もブラジル人が入っていない。

 若年層の海外移籍が選手の成長を阻害しているという声もある。将来を嘱望されてACミランへ渡ったパト(現サンパウロ)は先発に定着できず、サントスからRマドリードへ移籍したロビーニョ(現ACミラン)も成績は振るわない。戦術を重んじる欧州で良さが消されてしまっている。

 状況を打破するため、ブラジル連盟そのものを改革すべきと主張するのが、現在は国会議員も務めるロマーリオ氏。「サッカーの素人が連盟のトップに居座り、金もうけだけを考えている。ヤツらを刑務所に入れた方が良い」と、少々過激な言葉で批判する。70年W杯メキシコ大会を制したFWトスタン氏も「草の根レベルから、ピッチ内外で考え方を変えないといけない」。のちに「ドイツとオランダに負けて良かった」という日を迎えるために、変革が求められている。

<ブラジルが抱えるその他の問題>

 ▼勝利史上主義 ジーコ氏によると、黄金のカルテットをそろえながら2次リーグ敗退となった82年W杯が、その後に悪影響を与えてしまったという。「手段を選ばず、とにかく勝たなければならない」という風潮ができあがり、ファウルで相手を止めたりする美しくないサッカーが主流となっていったという。

 ▼海外視察が難しい 英テレグラフ紙によると、欧州40カ国の1部リーグに606人のブラジル人選手がおり、その数は他のどの国よりも多いという。半面、隅々まで視察し、才能を発掘するのが難しい。同紙はコラムの中で「スコラリは本当にコウチーニョ(リバプール)をチェックしたのか?」と記している。























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