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紙面企画

W杯のツボ

W杯のツボ

試合のプレー、珍プレーなどの出来事を掘り下げて検証する企画。南アフリカW杯の「スーパープレー、お宝発掘」をリニューアルし、スーパープ レーや勝負のあやに迫ります。

コスタリカ、イタリア撃破で死のD組突破


<W杯:イタリア0-1コスタリカ>◇1次リーグD組◇20日◇レシフェ

 優勝未経験のコスタリカが、世界を仰天させた。過去4度優勝のイタリアに完封勝ち。優勝経験3カ国が同居し「死の組」と言われたD組で、ウルグアイ戦に続くジャイアントキリングを実現した。決勝トーナメント進出は24年ぶり2度目で、まさかの一番乗り。大会前は英大手ブックメーカーの優勝オッズ2501倍と、最低人気だった。強豪がそろう中南米だが、コスタリカなど小国まで旋風を巻き起こしている。

 コスタリカが世界を驚かせた。初戦のウルグアイに続き、イタリアも撃破し90年イタリア大会以来、24年ぶりの16強進出だ。前半44分にDFディアスからのクロスをFWルイスが合わせて先制。この1点を守り切った。ルイスは「初戦に勝って、自分たちの力を信じることが出来た」。ピント監督は「歴史的な勝利」と喜んだ。24年前と同じ6月20日に決めた快挙に、胸を張った。

 5バックが抜群の呼吸でイタリア攻撃陣を封じ込めた。相手が中央から攻めれば5人が内に凝縮。外から攻められれば間隔を広げる。ボール支配率は42%対58%と相手に譲ったが、要所でのプレーを急がせ、苦し紛れに裏へのパスを出させてはオフサイドの網にかけた。計11回のオフサイドを奪った。副審がフラッグを上げたが、プレーを流したケースも2度あった。左右の伸縮と上下動、一糸乱れぬDF5人のラインダンス。バラバラだった2日の日本との親善試合からW杯では一変させた。

 中盤の守備では、肝となるピルロに自由を与えなかった。ピルロは初戦でパスを112本中103本成功させていたが、この試合は82本中76本。司令塔からのパスを26・8%も減少させた。前半21分1秒から26分22秒まで、FKを除き5分以上もボールに触らせず、孤立させた。試合後ピルロは「ハードな試合だった」とだけ残して足早に去った。気温29度、湿度70%とタフな条件のもと、ピルロをマンマークしたMFボルヘスの走行距離は11キロに及んだ。無尽蔵のスタミナだった。

 攻撃となれば、右サイドバック(SB)ガンボアと左SBディアスが、瞬時にスペースへ駆けだした。5バックの両サイドは攻撃時にはウイングとなり、ディアスは決勝点をアシスト。SB2人の走行距離も10キロを優に超えた。

 最終戦では既に敗退の決まったイングランドと対戦。優勝経験3カ国を従え1位通過の可能性も高い。1位なら決勝トーナメント1回戦でC組2位と対戦する。日本が奇跡のC組突破を決めた先には、3週間前とは違う姿の難敵コスタリカが待ち受けることとなりそうだ。

 ◆コスタリカ優勝オッズ 大会前は出場32カ国中最低人気だったが、D組で2連勝し、21日現在の優勝オッズは67倍まで下がった。イングランド戦を残すが、1位で通過するオッズは1・14倍、1・16倍と競馬のディープインパクトよりも堅いオッズが設定されている。ちなみに、C組の2位争いのオッズは日本が9倍、ギリシャは5倍、コートジボワールは1・33倍となっている。

 ◆コスタリカ共和国 北米大陸と南米大陸の中間に位置し、人口は約480万人。面積は5万1100平方キロメートルで日本の四国と九州を合わせた程度。公用語はスペイン語。安定した民主主義国。主要産業はコーヒー、バナナなどの農業。首都はサンホセ。

















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