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紙面企画

W杯のツボ

W杯のツボ

試合のプレー、珍プレーなどの出来事を掘り下げて検証する企画。南アフリカW杯の「スーパープレー、お宝発掘」をリニューアルし、スーパープ レーや勝負のあやに迫ります。

ジュリオセザール「動かない」という大バクチ


<W杯:ブラジル1(3PK2)1チリ>◇決勝トーナメント1回戦◇28日◇ベロオリゾンテ

 ブラジルGKジュリオセザール(34=トロント)が大ばくちに出て、チリとの死闘を制した。PK戦で1、2本目を好セーブ。一気に勝利を引き寄せた。

 1人目。助走を始めたピニジャに対し、ゴール前中央で1歩も動かない。蹴った瞬間、正面に飛んでくるボールに対し、とっさに右足を出してはじいた。2人目のサンチェスに対しては、同様に蹴るまで中央で動かず、蹴った瞬間にボールが来た右へ横っ跳びして止めた。3、4人目は決められたが、最初の連続セーブが実った。5人目ハラのボールはポスト右をたたき、歓喜の瞬間を迎えた。

 大きな重圧の中、動かないという大胆な選択肢が成功を呼んだ。サンチェスは先発して120分間走っていた。足に疲れがたまりコントロールは乱れ、ポスト際を狙いにくい。黄金期のインテルミラノで活躍したジュリオセザールは、ギリギリまで中央で身構え、反射神経で止めていく作戦に出た。敗退すれば暴動が起きてもおかしくない一戦を「自分の仕事に集中した。家族は心臓まひを起こしそうになったかもしれないけど」と振り返った。

 前回大会は準々決勝でオランダに敗北。敵のロングボールの処理に失敗し、味方のオウンゴールを誘発して批判された。精神的に追い込まれたが、代表仲間の励ましで立ち直った。この日もPK戦前にFWフレジらに激励された。悲願の自国開催優勝まで、あと3勝。「これからも集中して戦い、夢を実現させなくては」と頂点を見据えた。

















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