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  2. 名誉大使MISIA 「アフリカへの思い」を語る

音楽を通じてメッセージ発信


09年マリで井戸での水くみを体験
09年マリで井戸での水くみを体験

 長崎出身。社会問題に対する意識の高さは幼いころからの環境から育まれた。

 「10年ほど幼少期を過ごした対馬は自然が豊かな場所。自然が大事だと肌で教えてもらいました。長崎は平和教育が盛んなんですね。世界で起こっている紛争問題に関心を持つようになりまして。(アフリカの飢餓と貧困層を解消する目的で作られた楽曲)『ウィー・アー・ザ・ワールド』といった音楽を通してアフリカが抱える問題を知っていたものですから、お互い全部つながりあっていると考えるようになりました」

 TICAD V名誉大使に任命されたのが今年1月。その直前に訪れたセネガルでレコーディングを行うと同時に、日本の支援で建設された給水塔などの視察も積極的に行った。

 「4万人がその給水塔の水で生活しているんです。下痢や感染症に苦しむ子供たちもいますから、給水塔によって健康が改善されたこと、水くみから解放された子供が学校に行けるようになったり、女性は違う仕事をして収入を得たり。1つの問題解決へのアクセスがいろいろな問題解決にもつながっていると感じたことが、非常に印象的でした」

 アフリカは意外に近い。そう断言した。

マリの子どもたちと交流
マリの子どもたちと交流

 「アフリカからたくさんの物を輸入し、私たち自身も支えられています。アフリカを知ると、お買い物に行くだけでも、これはアフリカから輸入しているんだとか、いろんなことに気付くんですね。知識が意識を変えていくので、何よりもまずアフリカのことに関心を持っていただき、知っていただきたいと思っています。衣装も素晴らしいし、自分の心がひかれるものからアクセスしていただけたら、いろんな側面のアフリカが見られて、リアルなアフリカが感じられるのではないかと思います。私は音楽を通じてメッセージを発信したり、楽しくつながるコミュニティーの場を作ることを続けていきたいです。アフリカでも日本でも」

 音楽で世界をつなげる。それが使命と捉えている。


◆MISIA(ミーシャ)本名未公表。
 1978年(昭53)7月7日生まれ。長崎県出身。16歳から黒人トレーナーのもとで音楽を学ぶ。98年にシングル「つつみ込むように…」でデビュー。04年に女性ソロ歌手として初の5大ドームツアーを成功させた。「陽のあたる場所」「Everything」などヒット曲多数。昨年大みそかのNHK紅白歌合戦には、アフリカのナミビアから生中継で出演した。血液型O。









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