<富士ゼロックス・スーパー杯:G大阪2-0浦和>◇2月28日◇日産スタジアム

 宇佐美選手が有言実行してくれました。後半23分の得点はこぼれ球を押し込んで決めたもの。派手で美しいゴールの印象が強いストライカーの新境地ともいえる場面でした。

 2月にG大阪の宮崎キャンプを取材に行きました。その時「点をたくさん取りたい。そのためにはこぼれ球をワンタッチで決めたい」と課題を話してくれました。有言実行のゴールを日産スタジアムで確認し、得点量産、さらなる進化への第1歩を踏み出したなと感じました。

 もともと決定力、技術はずばぬけたものがあります。瞬間的なイメージをプレーで表現できるという点でも、日本で一番といっていい選手です。ただ、DFの立場からすると、これまでの宇佐美選手のプレーは抑えやすい。きれいなドリブル、パスを起点とした得点パターンは読みやすい。DFとの駆け引きで位置取りを考え、こぼれ球を押し込むこの日のようなパターンは中山(雅史)さん、武田(修宏)さんが得意とした形。DFにとっては最も厄介です。

 運動量などまだまだ課題も多いですが、この得点のパターンをモノにできれば、新しい監督が率いる日本代表にとっても大きな武器となることができるはずです。(日刊スポーツ評論家)