塾の教え子だった10代女子生徒の首や両足首を犬用の首輪で結束したとして、奈良西署は7日、奈良市の塾経営伊藤耕司容疑者(62)を逮捕監禁の疑いで逮捕した。「事実に間違いない」と容疑を認めている。

署によると、事件当時は個別指導を行う日で、伊藤容疑者と女子生徒が2人きりだった。容疑者がマンツーマンで指導に当たっている最中に「これをつけようか」と言い、勉強していた女子生徒の首に犬用の首輪を付けた。その後、「これもつけようか」と言い、女子生徒の両足首をまとめて別の犬用の首輪を付けた。

さらにエスカレートし、首と両足首の首輪を犬用リードでつないだという。両手は自由だったため、この状態で容疑者は指導を行い、女子生徒は勉強を続けた。この間、首輪を複数回付けたり外したりしたものの、最大で3時間以上にわたり、容疑者は女子生徒を首輪で結束した状態で、指導していた可能性がある。女子生徒にけがはなかった。署は動機や目的などを調べている。

署によると、容疑者は犬を飼っていないという。

逮捕容疑は昨年11月17日午後、奈良市内の学習塾で、勉強していた女子生徒を犬用の首輪で結束し、監禁した疑い。女子生徒と母親が事件3日後に署に相談して発覚した。

署によると、女子生徒は容疑者が経営する塾に、数年前から週に数回のペースで通っていた。女子生徒は「内心は嫌だったが、先生と生徒の関係から言えずにいて、抵抗できなかった」と話しているという。【近藤由美子】