立憲民主党の泉健太前代表は17日までに自身のX(旧ツイッター)を更新。台湾有事は、集団的自衛権を行使できる「存立危機事態」になり得ると国会で答弁し、批判を受けている高市早苗首相の発言をめぐり「冷静に語りたい」として、私見を記した。

高市首相は7日の衆院予算委員会で、民主党政権時代に外相を務めた立憲民主党の岡田克也元幹事長から、「どういう場合に存立危機事態になるか」と問われ、答弁した。これに中国側は激しく反発。金杉憲治駐中国大使を呼び出して答弁の撤回を要求したほか、中国外務省は日本への当面の渡航を控えるよう注意喚起を始めた、また、薛剣駐大阪総領事は、高市首相の答弁を受けてX(ツイッター)に、「汚い首を斬ってやる」などと投稿。日本国内では、薛剣氏を「ペルソナ・ノン・グラータ(外交上のこましくない人物)」として国外退去を求める声も出るなど、両国の緊張関係が続いている。

泉氏は16日の投稿に「高市総理の『存立危機事態』発言 冷静に語りたい」と書き出し、「総理支援者からは『野党のせいだ』という声もある。しかし歴代総理が踏み込まなかった言動を、高市総理が不用意に行い、混乱を招いた。これは否めない」と、質問した岡田氏に批判があることをいさめるように記した。

「外交には常に『互いに越えてはならぬよう配慮してきた一線』が存在する。今回の存立危機事態発言では、高市総理が意図的に過去を踏み越えるつもりがないのであれば、やはり『曖昧(戦略的曖昧さ)を貫く』のが正答だった」と、個人的見解ではなく一国の首相として、「外交的戦略」を取るべきだったとの認識を示し、「これは質疑者が岡田元外相であろうが誰であろうが関係なく、総理が死守する答弁ラインの話」「『言わせた質問者側が悪い』との主張は、さすがに支持者もすべきでない。それでは『野党の忖度で成り立つ政権』との汚名を自ら着るようなものだ」と、皮肉交じりに指摘した。

その上で「岡田元外相の質問は、総裁選時の発言を問うたのだから、高市総理としてはむしろこの機会を、歴代総理と答弁ラインを揃える絶好のチャンスとすべきであった。総理はここを逃してしまった。ここで政権に伝えることといえば、何とか過去の政府答弁に学び、苦しいが忍耐をもって対応すべきだ」と、高市首相にも求めた。

また、「かつてバイデン大統領は訪日中に、『台湾有事に軍事介入するか』と問われ『YES』と発言し、大きく物議を醸した」と、2022年5月の日米首脳会談後の共同会見の発言が物議を醸したバイデン前米大統領の発言を引用しながら「この時、米国当局は必死に打ち消した。同様に、政府と党は総力を挙げて総理をサポートし、事態の収束を図る局面だ」と指摘。「『本人の発言なのだから』と決して総理一人に任せてはならない」とも記載。政府や自民党は、全体として高市首相をサポートすべきとの認識も示した。